内容説明
小学校に通わせてもらえず、食事もままならない生活を送る優真。母親の亜紀は子供を放置し、同棲相手の男に媚びてばかりだ。最悪な環境のなか、優真への虐待を疑い、手を差し伸べるコンビニ店主が現れる。社会の分断を体現する少年の魂はどこに向かうのか。《解説・杉山春》
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mana
117
最初から最後まで重い。虐待する自堕落な母親、暴力を振るう母親の彼氏、虐待に耐え忍ぶサバイバー優真。小学校に行けず、コンビニ弁当を貰って生き延びる。優真は人として大切なものを得ることなく育ち、中学校で馴染むことができない。ゆえにトラブルを引き起こし、女への鬱屈した思いが大きくなる。コンビニ店員の目加田夫妻が里親になり、夫妻は育て直しするように接するが、優真に思いは届かない。徐々に悪い方向に向かっていき、ラストはあっけないのだが、非常に重い。どうすればよかったのだろう。複雑に絡み合いすぎて、よく考えられない…2025/11/29
ピース
58
ネグレクトと虐待を受けて育った子供がどうなるのかが非常にリアルだった。そんな優真は里親に救われたかと思ったがそんな簡単ではなかった。普通なら親から教えてもらうことや学校で習ったりクラスの中で自然に身に付けることを全く知らないから。優真の場合は特に女子との接し方を全く知らないのは致命的だった。最後は尻切れトンボのような終わり方だったがこの後も目加田家に居られたんだろうか?2025/04/20
JKD
37
自堕落の見本のような母 亜紀と共に生活する優真と篤人。3人は家をもたず亜紀が付き合う男だけを頼りに居候を繰り返す。救いようのない荒廃し尽くした状況から優真だけは里親に引き取られ、学校にも通い規律正しい生活を送るが、やがて歪んだ心の奥底に潜んでいた嗜虐性が牙を剥き始める。どす黒い衝動や欲望が蓄積されていく様は息が詰まる。虐待を受け心が歪みきってしまうと並大抵の矯正は歯が立たないようで。残酷すぎる。2025/05/01
aki
35
とても理不尽極まりない話だ。理不尽極まりない話だけど、お腹を痛めて産んだ我が子をこれ程までに情を持たず放棄してしまう親がいるという事も現実。何も教えられず、与えられずで育てば、その事を理解することすら出来ないのだから人と交わることは難しいよ。それとは対照的な重度の障害を持って生まれた娘をひたむきに愛情を注いできた目加田夫婦が、この親から何の愛情も持たずにきた優真を里親として迎え生活を共にしていく中で、お互いの信頼関係や心情の変化に現実味が出てきた時、正しさが暴力になってしまうという事も思い知らされる。2025/02/09
ぶぅすけ
31
読む手が止まらなかった。付き合った男の家に転がり込んでは自堕落に遊び周る母親。世話をされず4年生までしか学校に通えなかった優真。大人の顔色を伺うことには長けているが、社会規範、道徳、人との距離感を培わないまま中学生になった優真は友達も出来ず鬱屈していく。そして同級生の花梨へ向かう黒い感情。優真に本当に必要なものは何なのか。最後は泣けてしまった。優真と目加田の『どうしたらいいのか、わかならい』の気持ちが痛い。虐待とネグレクトの負の連鎖。心の傷と闇が深い。2025/09/17




