内容説明
性暴力の記憶、毒親、貧困、セックスレス――それぞれの「限界」を抱えて、身体を売る女性たち。過去の傷を薄めるため……。「してくれる」相手が欲しい……。そこには、お金だけではない何かを求める思いがある。ノンフィクションライター・小野一光が聞いた、彼女たちの事情とは? 著者が20年以上にわたる風俗取材で出会った風俗嬢たちのライフヒストリーを通して、現代社会で女性たちが抱えている「生と性」の衝撃的な現実を浮き彫りにするノンフィクション。
目次
第一章 SMクラブで働く文学少女・アヤメ
第二章 歌舞伎町で働く理系女子大生・リカ
第三章 アヤメ その後
第四章 リカ その後
第五章 セックスレスの人妻・ハルカ
第六章 処女風俗嬢・カオルの冒険
第七章 育児と介護と風俗と――妊婦風俗嬢・アヤカ
第八章 九〇年代の女子大生風俗嬢・ミホの現在
第九章 生きるための居場所――SM嬢・アザミ
あとがき
文庫版あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
きょん
6
タイトルにある貧困、暴力、毒親などが掘り下げられた感じがなかった。さらっと表面を撫でた感じのする印象。他の風俗関係のルポだと「これはキッツいなぁ」と思う闇を感じるのだが、これはほとんどそれを感じないまま読了。これ都合いいように話の水を向けてない?と思ったのは、SMクラブで働く対象者がパートナーから受けているDVの話をしたところで、「DVの常習者にはありがちな話である。そこで私は話題を変えた」として、彼女のSMプレイに対する気持ちに話題を振ったところ。えっ、話題変えちゃうの?と一気に冷めてしまった。残念。2025/03/13
Go Extreme
4
アヤメの物語ーSMクラブで働く文学少女・性行為を通じて自己表現 リカの体験ー義理の父からの性的虐待・弟たちを守るために耐え続けた ハルカーセックスレスの人妻・他者との関わりを持つことの楽しさ カオルの選択ー風俗業を通じて承認欲求を満たす ミホの現在ー90年代の女子大生風俗嬢 アザミの居場所-SM嬢・自身の生きるための居場所を求め 共通のテーマ: 性行為を通じた自己認識や経済的動機・社会的な関係性の探求 承認欲求や過去のトラウマとの向き合い方 社会的な構造や個人的な選択が複雑に絡み合う2025/01/30
カノープス
4
帯にある【衝撃的な現状】のレポートではない。どんな内容ならば自分が納得する『衝撃』なのかもわからない。永沢光雄の『AV女優』など体を売る女の告白を纏めた本はいくつも出てきたが、複雑な家庭環境、義父による虐待、リスカ等この手の話に幾度となく浮かび上がってくるワードが登場する度に、やっぱりね…という感情に支配されたのは確かだ。そうした中で小野の独自性とはなんだろうか。ヒントは、大学時代に風俗で働いた女性と二十年ぶりに再会した章にありそうだ。この長いスパンで女達の烈しい季節を振り返る事。それが出来るのが強みだ。2024/12/30
Erika
3
最初からかなり重い話が出てくるので精神状態が悪い時に読むのは良くないと感じた。DV被害や虐待など、出てくる登場人物達の生い立ちが壮絶で読んでて辛くなった。彼女達が苦しみながらも"生きる"という道を選んだ事実に逞しさを感じた。2025/09/12
ねこまる
2
現代社会と風俗嬢、みたいなけっこうガチめな切り口のものがこういう作品は多いが、本作はそんなことはなく、あくまで風俗嬢個人の事情から逸脱することがない。そこがつまらなくもあり、面白くもあった。地の文より会話文のほうが圧倒的に多く、一見すると中身のない感じが逆に新しいかも?と感じた。著者は風俗以外の作品は非常に重厚なものであるので、このネタは苦手分野かと思ったが、そんな感じでもなさそう。でも、よくわからない・・・2025/08/13




