講談社文庫<br> 裁判官も人である 良心と組織の狭間で

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講談社文庫
裁判官も人である 良心と組織の狭間で

  • 著者名:岩瀬達哉【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 講談社(2025/02発売)
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  • ISBN:9784065382912

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内容説明

エリートが組織の「犬」になった瞬間!

最高裁に逆らったら法曹界追放、原発差し止めで出世は絶望、警察リークにのせられて冤罪……。正義の神でもなければ、AIでも六法全書でもない。隠されてきた「ナマ臭い」裁判官の素顔を暴き出す傑作ノンフィクション!

原発再稼働の可否を決め、死刑宣告をし、「一票の格差」について判断を下す――裁判官は、普通の人には想像できないほどの重責を負う。その重圧に苦悩する裁判官もいれば、個人的な出世や組織の防衛を優先する裁判官もいる。絶大な権力を持つ「特別なエリート」は何を考え、裁いているのか?

出世欲、プライド、正義感、情熱…生々しい感情が渦巻く裁判官の世界。これまで堅く閉ざされていたその扉を、粘り強い取材が、初めてこじ開けた。「週刊現代」連載時から大きな反響を呼んだノンフィクションが文庫化!
日本エッセイスト・クラブ賞受賞。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

空のかなた

26
良書。あとがきに、本書は当時の講談社第一事業局長鈴木章一氏のすすめで始まり、2年にわたる取材を経て連載記事へ。更に1年にわたる追加取材を経たと。現職裁判官や元裁判官等からの協力がなければ明らかにはならなかっただろう。行政府や立法府に人事と予算を握られているため、政治的色彩の強い案件や最高裁の判例を覆す案件は、特に迎合するヒラメ裁判官でなければ昇格できないばかりか、明らかな冷遇を受ける。何事にも干渉されず、良心に忠実に、証拠を公平に吟味して判断するのが裁判官だと思っていたことが、見事に覆され闇が現れる。2025/04/18

みこ

17
てっきり裁判官も裏ではこんな人間臭い一面があるんだよとボヤキやつぶやき的なものかと軽い気持ちで読んだら180度真逆の重たい内容だった。裏というか闇だった。政府や上司がご満悦するような判決を出したものが出世する。その結果生まれる原発再稼働や一票の格差合憲判決。表向きは国民を司法に参加させるという目的で導入された裁判員制度は裁判官が重たい判決を出した時の免罪符になっている。司法の誇りとは?三権分立とは?2025/03/26

シュークリーム・ヤンキー

5
裁判官の公平な判断を妨げるものは何か。てっきりそれは、行政等「外部」からの圧力なんだと思っていたが、実際は他の何でもない、組織としての裁判所にある「内部の論理」だと。裁判所は非常に閉鎖的な組織であり、民間でいう「ガチガチのJTC」なのだと思い知らされた次第。目からウロコと同時に、妙に納得してしまった。今まで、最高裁判官の国民審査はテキトーに流していたけど、結構マジで調べて考えないといけなさそうだ。。2025/03/30

おひまな読者

4
裁判官の仕事は本当に難しいと思う一方、組織としての裁判所が裁判官に裁判を運営させていく難しさは想像を絶するものがあります。本書では最高裁事務総局が人事・予算を盾に裁判官を強力に押さえつけていることが例証されていますが、おそらくそれは裁判制度への国民の支持・信頼を維持したいという意思によるものでしょう(裁判所は脆い権力です)。ただその結果、上ばかり見るヒラメ裁判官しか生き残れず、裁判所の判断力が劣化していると見なされれば、それこそ国民の支持・信頼を損なうリスクだと認識いただきたいものです。2025/04/25

Ra

2
主題副題の「裁判官も人である 良心と組織の狭間で」そのままの内容で読み応えがある。行政府や立法府に人事と予算を握られていることが、これらに迎合する組織的病理の温床というならば、どのような改善策があり得るのだろうか。2025/04/02

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