性的同意は世界を救う 子どもの育ちに関わる人が考えたい6つのこと

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性的同意は世界を救う 子どもの育ちに関わる人が考えたい6つのこと

  • ISBN:9784788720107

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内容説明

性犯罪再犯防止プログラムにおける
包括的性教育の取り組み「性的同意は世界を救う」プロジェクト


■男子の子育てをしている保護者に役立つ知見を抽出

 追って詳しく見ていくが、性加害者たちの実態は、多くの一般の方たちが想像しているであろう、「性欲が異常に強く、抑制が効かない人間」というわけでは決してない。加害者臨床の視点からは、むしろ、何らかの要因で生きづらさやコンプレックス、困難さを抱え、「自己治療」の手段として、加害するといったケースのほうが目立つ。

 つまり、誤った「自己治療」やストレス・コーピングの手段を選択しているというのが、多くの性加害者の姿であるというのが私の実感である。

 そうであれば、治療環境の調整や再犯防止スキルを身に付けることはいうまでもなく、生きづらさを少しでも軽減し、さらに、性暴力を自己治療の手段としてはいけないことであるという再学習が達成できれば、性加害から距離を置くことは可能となるはずというのが、私たちの結論である。そして、この本は、得られた膨大な結論の中から、男子を育てている保護者などに役立つ知見にフォーカスして、6つのテーマでお届けするものである。

① 性を「言語化」する
② AVとの付き合い方を考える
③ ソロプレイ(いわゆるマスターベーション)の不安を取り除く
④ 子どもが「自立」できる人間関係を築く
⑤ 性を自己決定する
⑥ 誤った「男らしさ」から解放される


ぜひ多くの関係者にこの本を手にとっていただき、子どもたちを性暴力の加害者にも、被害者にも、傍観者にもしないためには何が必要かを話し合うきっかけにしてもらえたら幸いである。

(本書「はじめに―本書ができるまでの経緯と刊行の目的 斉藤章佳」より)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

コジターレ

9
性加害の臨床家と性教育の実践家との対談本。クリニックにおけるプログラムを通して語っているので、加害者臨床の実際に基づいた話となっており、興味深い。性加害を単純に気持ち悪い、怖い、理解できないと捉えるのではなく、この国の社会構造と性教育・人権教育の低レベルさが招いているという理解をしていかなければならない。また、依存症の臨床から離れて20年経ったが、依存症治療の奥深さを改めて感じたし、ハームリダクションなどの最近の動向を知れて勉強になった。2025/04/07

コジターレ

8
再読。バウンダリー、性教育、人権教育などの観点を企業におけるセクハラ教育に応用できるはずだ。いずれカリキュラムを作ってみよう。一般的なセクハラ研修は、行為者の心理、被害者の権利など抜け落ちていることが多すぎる。2025/04/18

てくてく

5
女性をモノ扱いする社会にどっぷりと漬かり、自分の交際相手の理解を深めることがないまま性的行為を行う、あるいは性暴力を行ってしまう男性に対する性教育の実践のまとめでもあり、昨今その必要性が認識されつつある割には未だ十分に行われていない包括的性教育に関する一冊。言語化の重要性を再認識した。また、最終章の誤った「男らしさ」を手放す―父から息子たちの手紙が良かった。2025/02/14

marua

4
帯の惹句は有効だと思うが、書かれていることはそれ以上に「自分を語る言葉を獲得する大切さ」。それが性に関する知識や悩みをを茶化さずきちんと話し合える関係性を築く基礎になっていくんだろう。下品だとか寝た子を起こすとかいつまで言ってんだ。有害な男らしさが解消されてくことと合わせてごまかさず話し合える環境が整っていきますように。2025/03/21

ishida

1
自分も親子で性について話せる日が来るかなぁ…2025/04/03

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