扶桑社BOOKSミステリー<br> 冬の子 ジャック・ケッチャム短篇傑作選

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冬の子 ジャック・ケッチャム短篇傑作選

  • ISBN:9784594098780

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内容説明

スティーヴン・キング絶賛! 
ケッチャムは、短篇も凄かった。
モダン・ホラー界の鬼才が贈る珠玉の19作。
『オフシーズン』の後日譚他、ブラム・ストーカー賞受賞の
「箱」「行方知れず」を含む、日本独自編集の傑作選登場。

『隣の家の少女』で知られるホラーの巨匠ジャック・ケッチャムは、短篇小説の名手でもあった。『オフシーズン』と『襲撃者の夜』のあいだを埋める恐怖体験を描く表題作ほか、ある箱を覗いてから食事をいっさいとらなくなった息子の姿を描く「箱」と、ハロウィンの夜に子供たちを受け入れようとする女性の物語「行方知れず」のブラム・ストーカー賞短篇賞受賞作2作を含む、日本独自編集の計19篇。現実的暴力と幻想的恐怖の果てに生まれる、静謐で哀切きわまる詩情。孤高の鬼才の精髄をご堪能あれ。

(収録作品)
収録作品
冬の子
作品

オリヴィア:独白
帰還
聞いてくれ
未見
二番エリア
八方ふさがり
運のつき
暴虐
三十人の集い
歳月
母と娘
永遠に
行方知れず
見舞い

炎の舞

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナミのママ

89
〈訳者が選んだ日本独自編集の短篇傑作選〉19作が掲載。とにかく題材が多様で驚いた。ゴシックホラー、オカルト、恐怖、動物、あらゆるものが登場する。文庫一冊にある19篇なので続けて読むとまとまりはない、にもかかわらず次が読みたくなる。『蛇』が一番怖く感じたのはリアルに想像できたからだろうか。でもケッチャムに関わらず短篇より長篇が好み。また探して読んでみたい。2025/07/04

yukaring

73
不条理な恐怖と残酷な狂気に満ち溢れたケッチャムの短編集。母親を亡くした父と息子のまえに突然現れた謎の少女。美しく異質な少女と暮らすうちに彼らは…「冬の子」ある男が持つ箱の中身を見た少年はその後食事を一切とらなくなる。そんな息子を心配する父親は…「箱」ある恐怖映画を見たいのになぜか様々な理由で見られない男。その映画の俳優は彼に瓜二つなのだと言うが…「未見」妻と上手くいかなくなって困っている男がセラピーにやって来る。彼女を今後どうすればいいのか悩む彼は…「八方ふさがり」など底知れぬ闇に呑み込まれそうな1冊。2025/08/06

sin

67
暴力のカタログの様な1冊だが、ケッチャムの表現からは静謐な残虐を感じる。むかしTVの特番で観たライオンに捕食されながらも、己の現状に諦念した草食動物の無表情が目に浮かぶ、残酷だが自然の摂理だ!野生では捕食と同じく同種間のいじめも一種の生き残る行為だが、人はどうだろう?生存に力は必要か?社会性が人間を人間足らしめ、社会が人間を捻じれさせる。そのうえ、暴力と云う本能の殻を尻にへばりつけて野生を手放すことをしない人間はただの毛の無い猿に過ぎない。いや猿よりも心が拗れている分、始末に悪い出来損ないを描いている。2025/08/09

tonpie

46
ケッチャム初読み。短編集。スティーブンキングも激賞するアメリカのモダンホラー作家だが、「怖い」というより、ジンワリ「不思議で嫌な気持ち」にさせてくれる作風です。文体にはヘミングウェイ流のマチズモがあり、明朗で読みやすいのだが、作品のテーマと印象は深く病んでおりヨーロピアンで複雑な味わい。わたしの好みです。いちばんは性的な問題、特に小児性愛のイメージを散りばめてくる。性愛のバリエーションとして、フェティシズムや同性愛、サドマゾヒズムは、個人の趣味の範囲内だと思うが、↓2025/05/27

tonpie

45
面白すぎて二度読み。サリンジャーと対比。アメリカの田舎住まいの普通の市民の日常を素材に、魂や神秘を描くことができるのは、やはり、すごい才能ではないだろうか。同じことを目指したサリンジャーは、素材を選びすぎて結局書けなくなってしまった。ピュアな子供や傷ついた帰還兵や没落貴族の少女など、よく探してきたと思うけれど、やっぱり素材にこだわっていてはダメなんだと思う。ケッチャムは「ジャンクな素材」を別の視点から見ることができる。↓2025/05/29

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