内容説明
私たちは、どこで間違ったのだろう。天主堂と聖歌の町で、「正義の味方」を目指す女子高生の美澄(みすみ)真白(ましろ)は、八年ぶりに再会した親友・紫音(しおん)と楽しい日々を過ごしていた。紫音の抱える闇に気づくまでは――。事故死したはずの母親、虐待と思しきいくつもの痣……。聖なる夜、大切なものを守るため、痛々しいほど真っ白な少女が犯す、「完全に正しい」罪の炎。衝撃のラストが心を穿つサスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
23
天主堂と聖歌の町で「正義の味方」を目指す女子高生の美澄真白。八年ぶりに親友・紫音と再会したことでその運命が狂っていくホラーサスペンス。親友と再会して楽しい学園生活を過ごしていた真白が気づいてしまった紫音の抱える闇。事故死したはずの母親、虐待と思しきいくつもの痣、そして彼女のために行動しようとした結果から狂い始める歯車。警察官を目指す真白のスキルが思わぬ形で活きてしまう何とも皮肉な展開でしたけど、聖なる夜に大切なものを守るため、痛々しいほど真っ白な少女の覚悟がもたらした不器用な結末は鮮烈な印象を残しました。2025/02/27
ほたる
11
割と読みやすくて引き込まれた。美澄真白のそのキャラクター、そして彼女に関わっている人たちの描き方、気づいたら次へ次へと進んでいた。最後は結局戻ってくるのだろうと思っていたのだけど、その戻り方が綺麗で最初に抱いた印象からがらりと変わるのが良かった。2025/04/30
igaiga
9
真白怖い・・・(TдT)若いからこその極端な考え。ある意味潔癖で読んでてしんどかった。大人になるまでの段階で何かを間違えるとこうなるという・・・。クラスメイトの潤君でしたか?彼が可哀想。2025/05/21
なみ
9
正義感の強い女子高生、美澄真白は、8年前に仲の良かった紫音と再会するが、彼女と接するうちに違和感を覚えて──。 終盤、真白がしようとしていることがだんだんとわかってきて、とても苦しくなりながら読み終えました。 ここまで救いがなく重いラストに、一周回って清々しいと思わされました。 心に余裕のある状態で読んでほしい1冊です。2025/03/15
なごみんくる
7
タイトルがいい。上手い。なるほど確かに「正なる」殺人です。無駄のない構成・展開でテンポよく読めました。美しさを感じる狂気は、やはり惹き込まれますね。2025/04/12