猫がこっちを見る理由

著者名：雹月あさみ【著者】/ねこまき(ミューズワーク)【イラスト】

KADOKAWA（2025/02発売）

• ISBN：9784040756073

内容説明

お風呂から出た私は、冷凍庫から「冷凍果実シリーズ　完熟キウイバー」を選ぶと、ドラマを見るためにソファへと座った。
そこには飼い猫のキジトラミックス・マルが、名前通り文字通り、丸くなって眠っている。
ドラマには犬系彼氏やキツネ系イケメン俳優が出ており、画面から目が離せずにいると、気づけばマルがじっとこっちを見つめてきて……。(「ヘアゴム」より)

　彼女は予告なしに猫を連れてやってきた。今から数日、猫を預かって欲しい、と。
だけど僕には問題がいくつかあった。まずは、僕が猫アレルギーだということ。案の定くしゃみが止まらない。
そしてもう一つの問題、それは彼女と言っているが、既に一度振られていて彼女ではないということだ――。(「彼女と猫」より)

　茶トラのミックスのぷっぷは、いつも「にゃっ」と従順で嫌な顔一つを見せずにこちらを見つめてくる。
けれど初対面の人に会った後は、愛想笑いの裏で相当気を遣うのか、部屋の隅でこっそり吐く。
まさにストレス社会に生きるサラリーマンのようで――。(「好きなもの、嫌いなもの」より)

ほか、猫たちがまるで「見て見て！」と言っているような、恋愛やホラーにSFなど様々な物語が紡がれた短編集が、たっぷり４１話収録！
猫大満足の一冊にゃ！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[starbro]

図書館の新刊コーナーで見つけ、タイトルに魅かれて読みました。雹月 あさみ、初読です。本書は、猫がこっちを見る理由連作ショートショート集でした。どうせなら、2/22出版、22作、222頁が好かったにゃあ(=^・^=) https://www.kadokawa.co.jp/product/322405000536/ 【読メ😻猫部】

2025/03/13

[ままこ]

ねこまきさんの表紙と挿絵が可愛い。猫ずくしのバラエティに富んだ41のショートショート。ほのぼの系、お仕事系、SF、ミステリ、ホラー、ファンタジー、詩などあり飽きさせない。何気に繋がっているところがあり意表をついて面白い。「飼い犬に見られる」ラストのセリフにあっとなり思わず想像しニンマリしてしまう。「小さな妖精」と呼ばれる猫シンガプーラを思わず検索。可愛い♡「綿毛」は今の季節にぴったりだな。タイトルがどの物語にも意味深に効いている。活字の国の猫と人を楽しめた。うちの猫もこっちを見ている。にゃーん。

2025/04/03

[さちこ]

猫が登場する短編集

2025/03/05

[宇宙猫]

★★★　猫のショートショート集。お話は割と普通だけど、ねこまきさんのイラストがかわいくてほっこりする。

2025/05/20

[花林糖]

（図書館本）良かったです。猫が関わるショートショート41。愛猫との日常の一コマの様な話が多いけれどゾクっと系も有り。特に好みだったのは「好きなもの。嫌いなもの」「瞳の先に」「透明な世界」「私のしごと」「店先で」「猫屋敷」「都市伝説『猫被村に迫る！』」。

2025/04/01