貧困理論入門 - 連帯による自由の平等

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貧困理論入門 - 連帯による自由の平等

  • 著者名:志賀信夫【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 堀之内出版(2022/12発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784909237651

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内容説明

「貧困理論」を基礎から解説する初の入門書

貧困とは何だろうか?
本書では、ブース、ラウントリーらの貧困調査による「絶対的貧困」からはじまり、べヴァリッジの社会保障論を経由して、タウンゼントの「相対的貧困」、EUの「社会的排除」へといたる、「貧困概念」の歴史的な拡大過程を追いながら、貧困対策の理論的核心を探っていく。貧困研究で期待の若手が、資本主義における階級と階層の両概念に改めて光をあてつつ「貧困理論」を基礎から解説する初の入門書。

【著者】
志賀 信夫
県立広島大学保健福祉学部准教授
一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了、博士(社会学)。NPO法人結い理事。日向市子ども未来応援会議副会長(宮崎県日向市による子どもの貧困対策会議)。主な著書に、『貧困理論の再検討―相対的貧困から社会的排除へ』(単著、法律文化社、2016年)など。

目次

[第1章] 「貧困」とは何か――諸概念の整理
[第2章] 絶対的貧困理論
[第3章] 相対的貧困理論
[第4章] 社会的排除理論
[第5章] 「自由の欠如」と現代日本の貧困問題
[第6章] 階層論的貧困理論と階級論的貧困理論

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

41
貧困について考えた。やはり、経済的な側面からの貧困が浮かぶ。生命を維持するためには、衣食住の観点から考えてしまう。但し、それだけでは視野が狭い。社会的な側面からの視点の大切さを再認識。人との関係、社会との関係、そこと繋がる・・情報に届くという視点。考える視点が増える。2022/10/11

とある本棚

10
絶対的貧困・相対的貧困・社会的包摂といった貧困理論にまつわる学説史を簡単に概観するにはお勧めの一冊。ブース、ラウントリー、タウンゼントといったこの分野では避けては通れない主要な学者の調査結果、その評価も丁寧にまとめられている。学説史としては有用な一方、本書後半の著者の主張が前面に出る部分には両手を上げて賛成とはならない。特に、現状の変革の手段として著者が挙げる階級論的見方に基づく連帯には、その実現可能性も含め首肯しかねる部分もある(著者は現実的であることは、現実を追認することと同義でないと言っているが)。2023/08/12

むっち

5
タイトルとおり貧困問題の「あってはならない」が歴史的に進化したことや、その解決発想が資本主義の枠内での取り組みでしかないが運動が変えたこと、枠を変える取り組みの可能性を理論的に分析まとめている。すでに「知っていることばかり」といって階級論を毛嫌いする感想もあったが、まあ立場の違いでしょう。貧困問題とはなにかなぜなくならないのか。なくすためにどうしたらいいのかと考えている人にはヒントを与えてくれる本。問題は、理論をふまえた実践で、その変える主体は現在は、だれなのかです。階級的視点の担い手はだれなんだろう。2023/11/15

Hiroki Nishizumi

5
貧困問題と貧困そのものの理解を分ける視点が良い。貧困の定義がしっかりしていないと拡散する問題対応が収拾付かなくなることがよく理解出来た。2023/11/07

Bevel

5
読みやすいと感じた。貧困は、格差と対比されて「許容できない状態」を指す。この「許容できない状態」が歴史的推移したことが「絶対的貧困」「相対的貧困」「社会的排除」の学説史の中に読み取れるというもの。サプライサイドの「統合」ではなく、「社会参加」を可能とする諸条件の整備こそが、排除対策の要と聞くと、前者が弱っている今、それ誰するの?と思う。著者的には、社会運動でサプライサイドや行政に言うことを聞かせる(=ベーシックサービス)のだけど、社会運動そのものがサプライサイドであるという自覚を取り戻すのが重要なのかなと2022/11/17

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