集英社文芸単行本<br> 港たち

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集英社文芸単行本
港たち

  • 著者名:古川真人【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 集英社(2025/01発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087718898

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内容説明

島に帰ろう。家族の声を聞きに。

お盆を迎え、久しぶりに九州のとある離島に集まった吉川家の面々。
この島ではお盆の夜に、島ならではの行事が執り行われる。
その行事に向けて忙しなく動く家族の声を、敬子は眠たげに聞いていた――「港たち」

帰省先には、相変わらず酒に浸る父や、知り合いの家を飲み歩く男がいた。
昔のことに水を向けると、彼らは仕事で羽振りが良かった時代の武勇伝を語り出す。
この頃、社会はコロナ禍から回復しつつあった――「明け暮れの顔」

緩やかな坂の上にある教会風の建物で行われる、従妹の結婚式。
稔は煙草を一服するために式場の外へ出ると、空を旋回する鳶が目に留まった。
ふと、幼い頃の夏に、父と島で見た光景がよみがえる――「鳶」

……など、吉川家のとある1年間をたどる豊かな語りの5編を収録した、
芥川賞受賞作『背高泡立草』に連なる小さな島の物語。


【著者略歴】
古川真人(ふるかわ・まこと)
1988年福岡県生まれ。國學院大學文学部中退。
2016年「縫わんばならん」で第48回新潮新人賞を受賞しデビュー。
2020年『背高泡立草』で第162回芥川龍之介賞受賞。
その他の著書に『四時過ぎの船』『ラッコの家』『ギフトライフ』がある。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

アイシャ

24
長崎の島に住む90歳を超えた敬子。表題作はお盆に帰ってきた子供たちやその孫たち、時にこの時期に戻ってきた亡くなった人たちの会話でできている。けたたましいほどの会話の応酬。それは時空を超えて現在も過去もまた同じ場所にあるようだ。家族のイベントには集まるこの家族の話が5編。孫の1人稔は物書きで、多分作者の分身なのだろう。本作の前に芥川賞を取った作品もこの家族の話らしい。なかなか読みにくい作品ではあった。2025/03/13

フランソワーズ

9
長崎の離島に住む、年老いた敬子の元に帰ってきた親族たちとの賑やかな触れ合い。混濁する彼女はしばし、亡き人との思い出に浸る。それが綯い交ぜな文章であるためになかなかに読みにくいが、独特の方言で描かれる世界であるためか、いつしかその家に招かれたような臨場感と、快い部外者感に浸かっているような気分になる。2025/05/21

田中峰和

7
彼岸と此岸がある。彼岸があの世なら此岸はこの世。この世を港に例えるなら、あの世は海の向こう側。お盆に集まる親戚たちは現世からいずれ自分たちも出かけるあの世を夢想する。90歳の敬子にとって、その境界線はぼんやりとしてはっきりしていない。死んでしまった人の方が生きている人より圧倒的に多い。お盆は生きている親戚たちの集まるときだが、結果として余計に死者の記憶がよみがえる。今日は五山送り火。いい時期にいい本と出会えた。2025/08/16

そのとき

5
平穏でありながら騒がしい、家族の様子。前作のような、はっとする読後感はなし。(私自身の問題かもしれない)2025/03/03

meetontheledge

3
古川真人さんの作品はどれも好きだがこの本は特に楽しめた。お年寄りがうたた寝の合間に聞く親戚たちのがやがやとした会話は、夢や記憶と入り混じり浮かんでは消える泡のよう。大勢での飲み会でお酒を飲みすぎて眠くなりながらもまわりの人と話している時のような、気怠い感じを思い出す。2025/05/27

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