内容説明
大震災直後に殺人を犯し、死刑を覚悟しながらもある人物を探すため姿を消した青年。自らの家族も被災した一人の刑事が、執念の捜査で容疑者に迫る。壊れた道、選べなかった人生――混沌とした被災地で繰り広げられる逃亡劇! 『孤狼の血』『盤上の向日葵』の著者が地元・東北を舞台に描く震災クライムサスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
491
いきなりプロローグで結末が示されてしまっているので先を読むのが辛い。3.11前後の被災地を舞台に、恵まれない境遇で育った1人の男が自らの意に反して2人の人間を殺めてしまい、指名手配で追われる身となり北を目指すという物語。自分が物心つく前に己を棄てて去った父親を探す為に。被災地の惨状、避難所の描写、被災者の心情。それらあの当時の状況は良く描けていると思う。しかしながら主人公の身の上を思うとあまりに切なく、哀しくてやりきれない。あの結末は正しかったのか。違う方向での物語の閉じ方もあったのではないか。辛い。2025/08/28
パトラッシュ
482
『風に立つ』と同じく悪人は誰ひとり登場しない。過去を抱え懸命に生きている人びとに、究極の理不尽である震災が襲いかかる。死んでいれば苦しまずにすんだが生きてしまったため真柴は人を殺し、陣内も家族が壊れる苦しみから逃れるため追う者と追われる者に分かれる運命となった。震災で家族を亡くした柚月さんだけに、誰のせいにもできない理不尽を生き延びた人の「どうすればいいんだ!」というあがきが胸に迫る。最後に真柴が家族を捨てたと思っていた父親の本心を知れたのは救いだが、何の救いもない2万4千人余の死者不明者を思ってしまう。2025/03/29
starbro
471
柚月 裕子は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、東日本大震災直後北上逃避行クライムサスペンスの佳作でした。著者の筆で読ませますが、もう少しサプライズが欲しかった気がします。 https://www.shinchosha.co.jp/book/356131/2025/04/03
のり
378
「真柴亮」。彼の人生とは何だったのだろう?簡単に運が悪かった東北言うのには、あまりにも巡り合わせと時期が彼を貶めた。元凶は祖父と会社の同僚。飲み屋での一件がなければ、殺人犯として追われる事もなく、北へ向かえた。東日本大震災の真っ只中の出来事。ホントに沢山の人が犠牲となった。追う刑事もまた小さい娘を失った。失望の中の犯人と刑事。途中で出会った「直人」がいっときの癒やしを与えてくれたのが救いでもあったが、最後まで申し開き出来なかったのが、一読者としても悔しかった。2025/06/13
うっちー
303
切ない。最後、救いがあったと信じたい2025/06/08
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