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内容説明
2024年に日銀の限界が露呈した。
第一に日銀は、異常な円安を止めようとしなかった。
第二に株価が暴落すると、株価の動向を気にし、利上げを躊躇するようになった。
第三に、企業が賃上げを販売価格に転嫁するのを、日銀は「物価と賃金の好循環」であり、望ましいことだとしている。
しかし、これでは物価が上昇するし、物価上昇が止まらなければ、名目賃金が増えても実質賃金が増えることはない。
企業の利益は増えているのに、なぜ国民の生活は苦しくなる一方なのか?
日米トップの交代で日本経済は今後どうなっていくのか? その詳細を徹底解説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
楽
22
25年1月。内容が難しければ各章のまとめだけでも読んでほしい。帯の「物価と賃金の好循環」はまやかし、もっともである。タコ足、マッチポンプとも違うが、労働者≒消費者とすれば自分が負担して自分の賃金を上げているだけ。賃金上昇を価格転嫁すればコストプッシュ・インフレのスパイラルが起こる。ここから脱するには生産性の向上が必要だが、過剰な金融緩和が生産性を低下させてきた。円安で(輸出)企業の見た目の利益は嵩上げされるが輸入されるモノの値段は上がる。円の価値が下がり日本は貧しくなった。誤った政策を続けるのは誰なのか。2025/06/12
ふくとみん
20
わかりやすく丁寧な説明。強欲資本主義には納得させられた。これからどうすればよいのか困ってしまう。「だから古典は面白い」を書ける多才さには感心する。2025/02/02
メタボン
18
☆☆☆ 新NISAと円安によって資金の海外流出が増えている。日銀植田総裁の2024年4月26日政策決定会合後の記者会見で「円安による物価への影響は無視できるか」との質問に「はい」と答え、キャリー取引を容認する印象により、円安が進んだ。これにより政府が為替介入。岸田首相が総裁に発言を修正させた。インフレを販売価格へ低下、賃金を上げずに企業利益を増大させる「強欲資本主義」。結局この利益を負担するのは消費者。生産性の向上ではないのにインフレへの対処で強引に春闘で賃金を引き上げ。つまり「賃金と物価の悪循環」。 2025/03/30
あまいちろう
4
日銀は賃金と物価の好循環が確認出来れば、利上げを検討するとのことだが、好循環の達成には生産性の向上が必要との筆者の主張は、その通りだと思う。日本は金融緩和というカンフル剤を打ち続けた結果、生産性の向上なしに大幅な円安と物価上昇を招き、経済運営の自由度が狭められている。生活必需品の値上げが止まらす、多くの方々が息苦しさを感じているのではないか。少数与党では人気取りの政策に走りやすく、更なる財政悪化は避けられず、この国の将来が心配だ。2025/03/11
mm71
4
異常な円安の真の原因の探究が面白い。アメリカでは金利を上げられるが、日本は上げられない。これにより安心して円キャリー取引が巨額になった。この円キャリーの巻き戻しで日本株は暴落。購買力平価では1ドル90〜95円とのことだが果たしてどうなるか。2025/01/28
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