内容説明
批判の混乱を解きほぐし、新自由主義に対抗すべき課題と主体を提示。
目次
新自由主義批判の再構築のために
第1部 新自由主義と企業社会(新自由主義改革と「野蛮な労働市場」―木下武男『日本人の賃金』の検討;日本的経営は解体したのか―『新時代の「日本的経営」』における構想と実践;格差問題を逆手にとる「労働ビッグバン」推進論―八代尚宏氏の主張を読み解く;男女賃金差別と年功賃金―森ます美『日本の性差別賃金』の検討 ほか)
第2部 開発主義と福祉国家(日本における新自由主義の性格規定について;官僚主導国家観の大いなる幻想―日本は「開発主義国家」か?;開発主議論と新自由主義との政治的親和性―『情況』新田論文の教訓;新自由主義に対抗する福祉国家論の条件―社会政策学と「新福祉国家」論をめぐる批判的考察)
著者等紹介
赤堀正成[アカホリマサシゲ]
1967年生まれ。労働科学研究所主任研究員。社会政策
岩佐卓也[イワサタクヤ]
1970年生まれ。神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授。社会政策(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Mealla0v0
6
本書の主張の基本的な枠組みは、戦後日本を開発主義国家と規定する後藤文夫ら『ポリティーク』系知識人の議論では、開発主義の弊害が過剰に説かれ、福祉国家としての側面を軽んじるどころか、それらを解体すべきという主張において、新自由主義と事実上「共闘」を演じているのであり、唾棄すべきものである、というものだ。後藤の開発主義国家論が問題含みなのは論を俟たないが、それらに対する批判を通じて本書は何ら展望を示せていない。旧来の「日本的経営」が労働運動の成果であることを強調し、その回復を主張しているように読めるのだが……。2023/07/31
keepfine
1
後藤道夫や木下武男らポリティーク学派を批判して開発主義を擁護する論文の集成。学部時代に教員に規制緩和や構造改革批判としてはこういう視点もあるよと紹介されたので読んでみたが今一つ納得できなかった。2010/10/18