内容説明
元総理への凶弾と宗教問題。
刊行時に予言的作品とメディアを揺るがせた超問題作!
書評続々掲載!
読売新聞、日本経済新聞、毎日新聞、産経新聞、共同通信、週刊文春、文學界etc.
脳が侵され、やがて全身が洗脳されていく。
人間とは、かくも弱い生き物なのか!
(芳林堂書店高田馬場店 江連聡美)
超巨大企業・Central Factory(通称CF)は加害の責任、被害者の苦しみを取り除く「無化」を行い、人々を平穏な世へ導いてくれている。だが、人類最高のシステムに疑問を持つ男がひとり。男はCFへのテロを計画していた。なぜ男は夢の世界を壊そうとしているのか。その時、理想郷を壊されようとされている人々は……。予言的作品と話題を呼んだ物語が待望の文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
梶
30
加害と被害、ジェノサイドに対する吉村萬壱の問題意識が鋭く現れつつ、さまざまな立場の登場人物から「CF」という得体の知れない大企業の空虚を描出してゆく意欲作。すべての人間にどろどろとした領域があり、誰もがそこから目を背けようとして...。大きな力を持つ者たちの責任が煙に巻かれる現実を、小説という物質に切り取っていて、この作品自体が意義のある達成を示しているようにも思える。 「ピンク色の溶液」はなんだかイカゲームみたいな、ポップなグロさを思わせて面白かった。2025/03/03
sansirou
9
犯罪の責任を「無化」する巨大企業CF。巨大な煙突がもくもくと上がり実態のない責任が実体化され燃やされる。そんな噂がまことしやかに囁かれる中で、CFに関わる男や女が、CFに取り込まれていく。CFを敵視し、テロを企む男、その男に引きずられる女、CFで働く大男と、その妻、妻の大学時代の同期の男とその妻と娘、娘を自動車で轢き殺す上級国民、現実の事件なども散りばめながら、結局虚構の巨大企業の実態は、無であった。2025/05/02
きょん
7
初期の吉村氏の作風からはぐっと落ち着いた作品だったが、面白かった。CFという大企業は罪を犯した人の責任を「物理的に」無化し、それにより被害者の恨みや悲しみも「物理的に」消えていく、という事業を行う会社。そんなばかな、とは最初は思うが、怒りや恨みや悲しみや後悔でパンパンで疲れた心の隙間にふっと入り込んでくるCFの思考。今のホワイト社会が行き過ぎた果てにはもしかしたらありうるのでは?組織から切り捨てられた人間を叩くだけ叩いて退場させる一方で、上級国民は忖度され罪は有耶無耶。この風潮の行き着く果てには。2025/01/26
ネルシュン
3
荒唐無稽だけれど、不思議なリアリティのある小説です。2025/01/18
にゃんち@雑食系
2
★3.2。書籍の時に紹介されて興味あったので、文庫化見つけて買ったものの……?相性ってあるね。2025/02/16
-
- 電子書籍
- 「制約」を使って最短で答えを出す! 絞…
-
- 電子書籍
- ダメジョのルームシェア12 G2Com…
-
- 電子書籍
- キスよりもっと【分冊】 9巻 ハーレク…
-
- 電子書籍
- 小学館ジュニア文庫 おためし読みまとめ…