ことぱの観察

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ことぱの観察

  • 著者名:向坂くじら
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • NHK出版(2024/12発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784140057544

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内容説明

文芸の世界で最も注目を集める作家が挑んだ、言葉の定義をめぐるエッセイ集。

「好きになる」「さびしさ」「つきあう」――。日常で何気なく使っている言葉で私たちは、他人と「本当に」分かり合えているのだろうか。一つ一つの言葉が持つあいまいさや脆さを鋭く見抜き、記憶や経験、痛みや喜びの「手ざわり」からその意味を結び直す。他人や、自分自身や、そのあいだにある関係を観察した日々の、試行錯誤の記録。

【内容】
まえがき
1.「友だち」「遊びと定義」「敬意とあなどり」「やさしさ」「確認」「忘れる」「くさみ」
2.「好きになる」「恋」「ときめき」「性欲」「つきあう」「愛する」
3.あなた「友だち2」「めまいと怒り」「さびしさ」「寝る」「飲むとわかる」「乗る」「観察」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゃが

40
言葉の定義をめぐるエッセイ集。詳細は説明しにくいが、内容は著者の感性ほど極端ではないが、友達のような人、夫、自分やそのあいだにある関係が生じる際に感じる違和感のようなものは共感。「同じ言葉を使う他人がいる。…言葉がわたしの中である意味をむすぶとき、そこにはわたしの記憶や、経験や、痛みや喜びの手ざわりが、どうしようもなくまとわりつく。そしてきっと、他人の使う言葉には、彼らの記憶や、経験や、手ざわりが、同じようにまとわりついている。」と。書名が「ことば」ではなく「ことぱ」なのも緊張をほぐしてくれて興味深かった2025/02/18

メタボン

26
☆☆☆ 詩人が言葉を定義する試み。定義と言ってもなまなかなものではなく、少しひねくれた、うがったものに感じるのは、匂坂くじらの思考の過程を経たものだから。正直この人の詩は私の好みではないし、身近にいたら敬遠するタイプの人かもしれない。ただ発する言葉には何かひっかかるものがある。この種のエッセイはやはり蜂飼耳の方が好き。ただし小説は読んでみたい。文字を入れ替えて遊ぶこと(マイケル・ジャクソン→ジャイケル・マクソンなど)をスプーナリズムというのを初めて知った。2025/02/16

あおでん@やさどく管理人

23
ウェブマガジンで連載していたエッセイをまとめたもので、毎回一つの言葉の「定義」を語るというもの。辞書的な定義というよりは、くじらさん個人の経験からその言葉の意味を探って(観察して)いくエッセイという方が合っているかも。「やさしさ」の章で、バスの運転手のすぐ後ろにある席の「『やさしくもいたいけれど、なるべくいい目にもあいたい』という欲求」は心当たりがありすぎる。とはいえ、他の言葉を並べて定義しようとすればするほど、その言葉の本質から遠ざかってしまうような気がしてくるのも、何となくわかる。2025/02/03

aloha0307

18
本書📖のテーマは「ひとつの言葉を定義すること」...これって意外と難しいですね。特徴のひとつを述べただけでは十分でないし、正しく抽象化しなくてはならないですから。著者:くじらさんは国語辞典ではなく、「わたし」のオリジナルな定義を書いてみようと提案しています🖋 これまで何を考え、何を大切にしてきたのかという生き方と結びつくのだね2025/06/25

練りようかん

13
言葉を定義するエッセイ。はじめに定義の公式が示されていて、一度定義して考え続けてブラッシュアップする二段階方式、筆者の体験や記憶から見つめた内包するものが興味深かった。人が酒に夢中になる理由は、“飲む”で通じちゃう省略に秘密があるに違いないという分析が面白い。「乗る」は物体に乗るのかと思ったが、こちらも頭に何がくるかで言葉が持つ魔術性が見えてきて楽しい。予想外の発見は「敬意」で肯定の区別が新鮮、友人の運転エピソードがなるほどだった。また、単語ごとに同じ題の詩があるのだが、「くさみ」がすこぶる良かった。2025/07/05

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