ちくまプリマー新書<br> 読まれる覚悟

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ちくまプリマー新書
読まれる覚悟

  • 著者名:桜庭一樹【著者】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 筑摩書房(2025/01発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480685124

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内容説明

小説は、読まれてはじめて完成する。だから、たくさんの人に読んでほしいと思うのは、小説家の性。でも、いいことばかりではありません。誤読されたり、批判されたり、神様みたいに言われたり。そんなとき、誠実に応え、自分の心を守って書き続けるための、《読まれ方入門》。 【目次】はじめに/第一章 本を出したらどうなる?/第二章 読者との理想的な距離感/第三章 批評との共存の仕方/第四章 ファンダムと生きてゆく/おわりに

目次

はじめに/第一章 本を出したらどうなる? /1 まったく売れていないようだ/2 誰にも読まれていないようだ/3 じわじわ読まれはじめたら? /4 文壇で評価される/されない/5 読者に理解される/されない/よもやまばなし(1)/第二章 読者との理想的な距離感/1 誤読されたら/2 読まずに批判されたら/3 ファンがアンチになったら/4 ファンがストーカーになったら/5 作品と作者は別なのか? /6 社会問題を小説に書くこと/7 二次創作はありか? /よもやまばなし(2)/第三章 批評との共存の仕方/1 冷笑されたら/2 なぜ論理のない批評に傷つくのか/3 圧のあるベテラン小説家になったら/4 誤読されたら/5 なぜ誤読に傷つくのか/6 間違いを指摘しにくいと思ったら/7 差別されたら/8 なぜ差別に傷つくのか/9 批評が嫌いになりそうになったら/10 小説家が差別するとき/よもやま話(3)/第四章 ファンダムと生きてゆく/1 作者=神になったら/2 作品ごと軽蔑されたら/3 ファンが批評を叩いていたら/4 思想は隠してと言われたら/5 「あなたが推しです」と言われたら/おわりに/引用文献/参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

101
桜庭さんの作品は「赤朽葉家の伝説」と「桜庭一樹読書日記」だけを読んでいてその他の作品はあまり読んでいないのですが、この本は最近の小説の読まれ方を作者の側から書いたもので珍しい小説論だと思いました。昔は批評などのメディアが限られていたのが、最近はSNSなど誰でもその感想などを発表できる場が増えてきているということで小説を書くにしてもかなり様々なことを考えていかねばならないことをわかりやすく書かれています。最近の作家さんの考え方が理解できるような気がしました。2025/06/06

yumiha

37
読む側へのアドバイスの本はそれなりにある。でも書く側の「覚悟」つまり心構えを語る本は珍しい。しかもプリマー新書だから、ティーンちゅうか中高校生の書く側になりたいと思っている人たちに向けた入門書なのだが…。読み進めるうちに『少女を埋める』(桜庭一樹)についての文芸時評での論争がよぎり始める。たくさんの批評家・評論家の著書が紹介されているのは、論争でのご自分の立ち位置を検証し直そうとする努力を積み重ねてこられたからではないか?それほど追い詰められていたのか?という懸念は、最終章を読むと大当たりだった。2025/03/01

ぐうぐう

37
小説の書き方入門は数多あるが、読まれ方入門は前代未聞かもしれない。「読み方」ではなく「読まれ方」なのだから。小説は書いて終わりではない。読まれて初めて完結する。誰かに読まれることを望んで書いたものの、読まれることで辛い体験をすることもある。そんな実体験をもとに桜庭一樹が、これからプロの小説家になろうとしている書き手に向けた、読まれることで負う痛みへの覚悟と傷を極力抑える方法論が綴られている。その主旨を知った時、いや、そもそも本書のタイトルを目にした時点で、桜庭一樹の読者であれば、(つづく)2025/01/17

よっち

32
ファミ通文庫でデビューして一般文芸でも直木賞を受賞した著者による、誠実に応えながら自分の心を守って書き続けるための《読まれ方入門》。全く売れていなかったデビュー当時、変わり始めた状況、文壇で評価されること/されないこと、読者に理解されること/されないこと。誤読や読まずに評価されたり、ファンがアンチになったりする読者との距離感や、冷笑されたり論理のない批評、差別されたりといった批評との共存、ファンダムとして生きていくことを綴った内容は、これまで悩みながらも著者さんなりに真摯に向き合ってきたことが伺えました。2025/01/28

29
著者・桜庭一樹氏は初読だが、思いやりと謹直さに満ちた文章は、すばらしいものだった。感じ、傷つくひとりの人間としての作家が、等身大に感じられるようだった。読者(消費者)が発信する時代となり、作者はその点で誤読・誤解されやすくなっており、読むものとしても慎重にならなければならないのは勿論、日々文字情報を量産しまくる「書き手」としての自分も考えなければならないという転回思考のきっかけをくれる貴重な書。とても人に勧めたくなる魅力的な書である。2025/07/09

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