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内容説明
渋谷駅前の再開発、麻布台ヒルズをはじめとした巨大商業施設の建設、神宮外苑の樹木伐採の問題……。東京オリンピック後も止まない巨大資本による再開発に揺れる東京。私たちは都市をどのように捉えればいいのか。そのヒントは「街歩き」にある。都市論の大家の著者が自らの足で都心南部を歩きながら、かつての軍事施設の痕跡や、失われた川や暗渠を辿ることで、都市の構造を掘り起こす。誰も見たことのない「東京」が現れる、7日間の社会学的街歩きガイド。
目次
はじめに
第一日 駅から丘へ、丘から川へ、渋谷川筋を歩く
第二日 古川流域で高低差を実感し、街殺しの現場に遭遇
第三日 目黒川上流域のふたつの「川」と「まち」の地層
第四日 三田用水沿いに織りなされる軍都と自然
第五日 蟹川と新宿歌舞伎町の「裏」に広がる風景
第六日 青山・六本木・赤坂の川筋から見る軍都東京
第七日 都心の谷間から皇居を裏返す
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rico
74
街歩きの本だからと居直り、1か月かけてだらだらと読む。都内、特に23区内って意外に狭く歩いてあちこち行けてしまう。幹線道路から一筋入ると、ピカピカのビルの裏に昭和の空気漂う家並みが残ってたり。豪邸が並ぶ丘のすぐ下に庶民的なアパートが並んでたり。本書はそんな風景の中に見える東京の歴史と出会うためのガイドブック。ただ吉見先生も言及されているが、そういった街並みは大規模開発の波にのまれ、風前の灯。防災面からし仕方ない面もあるけれど。ピカピカの高層ビルは人の暮らしが感じられず息苦しい。それ以外の選択はないのかな。2025/06/19
Sam
52
東京南部を巡る街歩きガイド。なかなか奥が深く、楽しく読ませてもらった。もっとも「街歩きガイド」とはいっても本書は「街歩きを通じて都市への新しい眼差しを体得してもらうこと」を目的としており、「より速く、より高く、より強く」を志向した「支配層」による近代を「裏返し」て見ること、すなわち「より楽しく、よりしなやかに、より末永く」という「貧者」の視点を持って街歩きを行うというアプローチが類書とは一線を画している。自分も昨今の再開発には懐疑的で賛同できるところが多かった。東京北部がテーマの前著も読んでみようと思う。2025/05/08
よしたけ
46
東京都心・南部に焦点当て、歴史紐解きつつ散歩する。実際に散歩してみたが発見多く楽しめた。著者は再開発反対し画一的な街並みを嫌う。狭い道・まがった道・起伏ある道・川沿い道を狙うと古い街並み会えるという。メモ:西武G創業者堤康次郎が都心破壊。困窮した徳川家・旧皇族から破格で土地を払い下げホテル化/東京は三度占領。一五九〇年の徳川の江戸入府、一八六八年の薩摩・長州軍江戸進駐、一九四五年の米軍占領/二度目占領では徳川支配記憶は徹底的に抹消(例:上野寛永寺)三度目占領後はオリンピックシティ化進む(例:代々木一帯)。2025/04/30
よっち
19
都市論の大家が自らの足で都心南部を歩きながら、かつての軍事施設の痕跡や、失われた川や暗渠を辿ることで、都市の構造を掘り起こす七日間の街歩きガイド。渋谷駅前の再開発、麻布台ヒルズをはじめとした巨大商業施設の建設、神宮外苑の樹木伐採の問題……東京オリンピック後も止まない巨大資本による再開発に揺れる東京。西武鉄道を率いた堤康次郎の悪辣な手口に対する痛烈な批判もありましたが、川や暗渠に沿って渋谷や新宿歌舞伎町、青山・六本木・赤坂や都心といった地域を街歩きしながら紹介される歴史にはなかなか興味深いものがありました。2025/03/06
おいしゃん
16
住んでいる街がたくさん登場し、東京の成り立ちにおいて大きな意味と歴史を持つ街なのだと再認識でき、さらに愛着を持てた。いつまでも、風情のある路地や街並みは残ってほしい。2025/01/13
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