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内容説明
●多様性が尊重される一方で、社会に広がる分断、同調圧力――。 ●私にとって「他者」とは何か、他者とわかりあうことは可能か? ●哲学界の旗手が示す「まったく新しい他者論」! 多様性の尊重が叫ばれると同時に、人々の分断が加速する現代社会。誰もが自分とは異質な存在である「他者」と生きなければならない世界で、哲学者マルクス・ガブリエルは「他者がいなければ私たちは存在することさえできない」と喝破し、従来の哲学における他者認識は誤りだったと語る。ガブリエルの提唱する「新しい実在論」から見た「他者」とはいかなる存在なのか。他者とともに、我々はどう生きるべきなのか。現代に生きる我々の「アイデンティティ」「家族」「愛」「宗教」「倫理」といった課題における、新たな解決策を提示する1冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
75
示唆に富む1冊。これを入口にして、あとは、各々がどう考え、動いていくか。他者をどう捉えるかは、自分自身をどう捉えるかでもある。ソーシャルメディアとアイデンティティーの切り口は、なるほどと思うし、文化・人種・地政学の視点など、思考は広がる。いかに、自分で考えることが重要であるかを考える。先に読んだ、安野光雅さんの本や、雨宮処凛さんの本とも呼応する。無目的・非効率にも意味があるというフレーズが同感。それがあるからこそ、効率的な時間も作れる。途中で書かれている家族との喧嘩の話も、なるほどと思う。2022/08/17
マリリン
45
手軽なGoogleの検索や、多種にわたるSNSへの言及は、なるほどと思える部分があった。第Ⅱ章の中の、対話と民主主義・政治は面白い。話し合いは万能の解決策…だろうか? 第Ⅲ章家族とは何か、愛とは何かと、第Ⅳ章の「2」負の感情から抜け出す…は、共感できる。パンデミックに対して言及している部分は興味深いが、共鳴できない部分もあり、本書もものの見方や考え方のひとつの側面と捉えたい。乗り越えようとするよりほどよい距離感が大切なのかもしれない。何故手にしたのか記憶は曖昧。 2022/05/28
chie
31
わかりあえない他者と生きる...そのためには対話が必要だという。私が思ったのは、人それぞれの生活の中で使う言葉のレベルが違って、対話ができない時にはどうすればいいかということ。私ごとになるのですが、職場の同僚に私がとどめを刺してしまった様で、その人は辞めるか辞めないかの窮地に立たされている。辞めればいいのに、と口にする人もいる。私は辞めないで欲しいと思っているのだけれど、それを「対話」にできない。これは、少なくとも私の人生の課題だな、と思った。2025/04/20
Tαkαo Sαito
28
良著。今回初めてマルクス・ガブリエル氏の本を読んだが。現実にしっかり目を向けて地に足をつけた意見を持っていて、哲学者というステレオタイプを外して読むことができた。自分の存在はどのようなものか、他者とのうまい付き合い方、愛とは何か、他者を愛することとは何か、怒りとどう付き合っていくべきか、等現代のもやもやを分かりやすく言語化してくれている。SNSをほぼやめたと言っているが完全に同意。最近twitterをやめたがとても気分が軽くなった気がする。インスタグラムはまだやめられないが...笑2022/10/29
なこ
24
私たち誰もが共通しているのは他者性、つまり、文化、思想、細胞レベルで個人は異なるということだ。それを出発点に、分かり合えない他者とは、自他への尊厳と対話を持って歩み寄り、許し合う努力を続けていく必要がある。幸せを妨げるのも他者だが、他者がいなければ幸せにはなれない。他者への怒りや嫉妬という負の感情は、歪んだ自己概念の投影である。まずはその感情を認知し受け入れ、どう対処するかを問う必要がある。自分で自分を幸せにするしかなく、他者を幸せにすることは出来ない。しかし、幸せの条件を相手に提供することは出来るのだ。2023/05/15
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