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内容説明
バイト3つを掛け持ちして休みゼロの43歳男性、「妊娠解雇」で虐待に走った41歳女性、手取り17万円で地方医療を支える臨時公務員37歳男性──。非正規雇用で働く35~54歳の「中年フリーター」が、この国では増加の一途を辿っている。なぜ彼らは好景気にも見放されてしまったのか? フリーターを救う企業はあるのか? 豊富な当事者取材から「見えざる貧困」の実態を描きだす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しゃが
57
『中年フリーター』のタイトルに引き付けられた。就職氷河期の人たちの一部が多様な理由で非正規雇用者となり、働き盛りのといわれる中年期に、思うような働く場を確保できず、格差からの貧困に陥っている状況をルポ。そこにはシングルマザー、看護介護職の妊娠・出産・子育てへのパワハラや離職勧告、非正規雇用者雇い止めなど従来と変わらない現場を読んでいても重苦しかった。今、問題になっている外国人労働が増えれば、さらに過酷くなるような気がした。一筋の光明は富山県が働きやすい環境を取組んでいることだ。こんなモデルが広がってほしい2019/01/16
竹園和明
42
【徒然所感】働いて働いて人並みレベルの暮らしを望もうにも、世の中がそれを許してくれないとしたら何に縋れば良いのか。非正規雇用や低賃金労働の現実を、多様な業種の実例を挙げてレポート。経団連の犬となり「経済再生」を語って、抽象的で曖昧な演説で無知な若者らを丸め込んで支持率維持に躍起になる政権。そんなインチキ政治のせいで苦しむ人々の何と多い事か。経済的理由から子供を増やせない、技術の伝承もされない、そんな国に未来などある訳がない。箍が外れた企業と政治を締め直す事は容易ではないが、今止めないと日本は確実に滅ぶよ。2019/04/24
ひと
33
最後まで読み終わってから同時期に学んでいた後輩の著作だとわかった。問題意識は共感。3章で取り上げられている行政や企業の取り組みなどで、今後はこのような中高年の非正規雇用者が減ってくれることに期待。ただ、世の中的には団塊ジュニア世代が30代前半で未婚率47%超となってしまっていた(R2労働白書)ところで動くべきだった。人口問題の解決に関しては手遅れ感が否めない。虐げられてしまっていた人達に救いの手が差し伸べられること、過去の失敗から学んで、より明るい社会が築かれることを祈りたい。2023/04/12
山口透析鉄
27
市の図書館本より。いわゆる就職氷河期で非正規雇用に陥った世代の話で、この少し前はいわゆるバブル(まさにアブクでした)景気で企業も大量採用をしていた時期なので、ニッポン会社ムラの先見性のなさは今に始まったものではないのでは?というのが働いてきて痛感するところはあります。小泉純一郎/竹中平蔵(後者はパソナの会長にもなっていた)による新自由主義経済の行き着いた必然的な結果で、法律を都合よく変えてきたから非正規雇用が異様に増えたのでしょう。そのとばっちりを受けた具体例が多々載っています。(以下はコメント欄に)2025/11/20
katoyann
26
就職氷河期を経験した中年の非正規雇用労働者の実態を検証したルポ。1968年から19777年生まれの世代が就職氷河期に当たる。新規学卒時に正社員として就職出来なかった世代の困難が克明に描写されている。正社員なみの能力や仕事量があってもまともに評価されることはなく、年収200万を割ることもザラ。縋るような思いで就職するとブラック企業であることも多く、劣悪な雇用環境で病気になり、退職を余儀なくされる。女性非正規の場合は妊娠休暇が許されず、仕事を辞めざるを得なくなる。権利保障が喫緊の課題だと改めて感じた。2023/09/15




