内容説明
ジャーナリストのウォルター・バジョット(1826-77)がイギリスの議会政治の動きを分析した古典的名著.選挙権のさらなる拡大が迫っていた当時,政治をいかに安定的に動かしていけるかが課題であった.下巻では,政権交代や議院内閣制の成立条件を扱うほか,第二版の序文を収録.現代の民主政治を考えるうえでも注目すべき考察が展開される.
目次
凡例
第六章 政権交代
第七章 イギリス国制は抑制と均衡の国制か
第八章 議院内閣制の必要条件およびそのイギリス的な特殊形態
第九章 イギリス国制の歴史とその影響――むすび
第二版の序文
補論 選挙法改正について
訳注
解説
索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
南北
39
上巻ではイギリス国制の構成要素を論じていたが、下巻では政権交代や議院内閣制を必要条件などを論じている。議院内閣制を採用するには「恭順型社会」であることが条件とする指摘は興味深い。官僚が議会で発言することは不適切であるとする点は日本の国会議員にも読んでもらいたい点だ。また国債償還のために積立金を行っていたのも注目すべき点だ。現在では日本以外の先進国では行われなくなったが、国際標準からはずれた財政運営をしているのは防衛費などの必要な財政出動をしないためのトリックであることに気づく必要がある。2023/06/23
ヒデアキ
1
政権交代・議院内閣制と大統領制の違い、政党政治の意義などの重要論点をひもとく。普通選挙制度に関する論などを鑑みるに、バジョットはローマ帝国の共和政や帝政、ローマ市民権・階級社会による選抜が知性ある世論・政治的意思決定に大事と考えたのがわかる。2025/07/09
ヒデアキ
1
下巻は政権交代・議院内閣制と大統領制の比較・イギリスの歴史・普通選挙制度の可否などに関する言及が中心。訳が素晴らしく読みやすい。 イギリスの歴史・政治制度そのものに対する理解が深まる内容で非常に考えさせられる内容ばかり。アダム・スミスやJ.S.ミルのように当代の事象や歴史にも言及しながら、非常に現実的な主張が続くのが印象的。2025/01/19
sk
1
読了。2023/07/30
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