筑摩選書<br> 都市社会学講義 ――シカゴ学派からモビリティーズ・スタディーズへ

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筑摩選書
都市社会学講義 ――シカゴ学派からモビリティーズ・スタディーズへ

  • 著者名:吉原直樹【著者】
  • 価格 ¥1,705(本体¥1,550)
  • 筑摩書房(2024/12発売)
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  • ISBN:9784480018106

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内容説明

都市社会学とはどんな学問か。絶えず変調しつづける現代世界において、なおも都市という場に注目する意味とは何だろうか。20世紀初頭の「衝撃都市」シカゴに花開いた古典的な都市社会学やその批判者であるニュー・アーバン・ソシオロジー、世界経済の緊密化とともに台頭する空間論や移動論的転回。そこで何が問われ、何が見落とされてきたか。長年、都市社会学やコミュニティ研究を主導し、モビリティーズ・スタディーズの導入に尽力してきた著者が都市/都市社会学の軌跡をたどり、その現状と可能性を問う。

目次

まえがき/第I部 はじまりとしての都市社会学──シカゴ学派社会学とシカゴ的世界/第1章 社会科学から社会学へ──制度化のプロセス/1 「地位革命」の申し子としての社会学/2 コーポレイト・キャピタリズムとバプティスト・ディシプリン/3 「理論」と「実践」、「科学」と「改革」のジレンマ/4 ミードの実験的方法/第2章 生成期から展開期のシカゴ学派都市社会学/1 ドイツ歴史学派の末裔としてのパーク/2 パークと人間生態学/3 「衝撃都市」シカゴとコーポレイト・リベラリズム/4 同心円地帯の表と裏──遷移地帯の光と影/5 社会解体パラダイムからみえてくるもの/第3章 パークからワースへ──本流か傍流か? /1 ワースのアーバニズム論/2 本流だけれども傍流? /3 「大きな社会」の出現と落日のシカゴ的世界/第II部 もうひとつの都市社会学の展開に向けて──さまざまな批判理論と空間論の台頭/第4章 拡散する批判理論と「都市イデオロギー」論/1 さまざまな批判理論(1)──島崎稔の「都市の社会科学」/2 さまざまな批判理論(2)──シュヴェンディンガー、ヴェブレン、そしてグールドナー/3 カステルの「都市イデオロギー」批判/4 新都市社会学の展開──空間論的転回への助走/第5章 「没空間の時間論的偏向」再論/1 シカゴ学派の時間と空間へのまなざし/2 モダンの時間と空間の両義性/第6章 シカゴ・モノグラフを読む/1 二つの時間、二つの空間のアガルマ/2 「存在論的〈共謀〉関係」と空間論的転回への架橋/3 シカゴ・ルネサンスとの共振/補論1 ディープジャカルタを訪ねて──カンポンに関する一覚書/第III部 もうひとつの都市社会学の領野/基層──空間論的転回、移動論的転回、そしてモビリティーズ・スタディーズ/第7章 起点としての空間論的ルネサンス/1 社会理論におけるパラダイムチェンジ/2 空間論的ルネサンスから/3 媒介環としての言語論的転回/第8章 空間論的転回から移動論的転回へ(1)──空間/場所と時間の再審/1 空間論的転回の理路/2 「空間/場所と時間」の位相転換・意味変容/第9章 空間論的転回から移動論的転回へ(2)──ルフェーヴルとジンメル/1 複雑性への転回/2 よみがえるルフェーヴル/3 よみがえるジンメル/第10章 モビリティーズ・スタディーズの理論的座標軸(1)──創発とは何か/1 再定式化の前提/2 「非‐場所」というメタファー/第11章 モビリティーズ・スタディーズの理論的座標軸(2)──脱主体の機制/1 「創発」へ/から/2 「居合わせること」──Fサロン考/3 アサンブラージュ、アフォーダンス、アーティキュレーション/4 「間=あいだ」に底在する脱主体の契機/第12章 ハーヴェイ、アーリとモビリティーズ・パラダイム/1 ポストモダニズムへの視線──場所から空間へ/2 瞬間的時間の機制/3 市民社会論からモビリティーズ・パラダイムへ/第IV部 トランジション・シティの方位と実相/第13章 都市社会学の脱構築のために/1 「共に‐あること」/2 〈公〉から〈共〉へのシフト・チェンジ/第14章 トランジション・シティの「いま・ここ」と「これから」(1)──その諸相/1 トランジション・シティの方位/2 オートモビリティーズの世界と歩行者都市/3 防災ガバナンスとデジタル・デバイド/4 ゆらぐ防災ガバナンス/第15章 トランジション・シティの「いま・ここ」と「これから」(2)──デジタル化の光と影/1 デジタル・デバイドのゆくえ/2 パンデミックと移動管理──抑圧的かつフレキシブルな社会的過程/3 デジタル化とコモンへのまなざし/4 データ資本主義の進展とデジタル・スケイプ/5 垂直都市から分断都市へ/補論2 トランジション・シティと1920年代シカゴの都市的世界/終章 シカゴ学派再考の理論的地平から/あとがき/参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アメヲトコ

10
2024年12月刊。シカゴ学派以降の都市社会学の研究史を学べるかと思い手に取りましたが、まずは著者の衒学的な文体が相当に好みが分かれそうで、申し訳ないですが私にはダメでした。著書のテーマからして仕方がない部分はあるものの、具体的事例はほぼなく理論だけが語られる感じで、これは都市社会学の素養がない人間にはきつい。私自身は都市に関心がある一人ではあるものの、目指すところはここではないことが分かったというだけでも収穫でした。2025/03/26

Hiromu Yamazaki

2
自分の理解力の乏しさもあるのだが、吉原直樹の文章はいつ読んでも挫折してしまう。2025/01/04

Go Extreme

1
シカゴ学派都市社会学:ロバート・E・パーク バージェス 社会生態学 社会的相互作用 都市問題分析 批判理論:フランクフルト学派 ポストコロニアル理論 フェミニズム 都市の不平等 社会構造批判 空間論:ルフェーヴル ハーヴィ ソジャ 空間の生産 都市の権力構造 移動論的転回:モビリティーズ・スタディーズ アーリ 社会的流動性 移動の影響 都市変化 都市社会学:歴史的位相 社会統制 アーバニズム デジタル化 監視社会 持続可能な都市形成:トランジション・シティ 環境政策 地域コミュニティ 社会的結束 技術革新2025/02/18

昌也

0
再読2025/06/10

h1r04

0
特に前半のシカゴ学派からのアーバン・スタディーズの流れ、とんでもなくわかりやすい。各章の繋ぎがすごく明確だし、それぞれの違いも明瞭に記述されていて教科書にしたい本でした。 後半のトランジション・シティの1つの形の代表例としてのFサロンは少し一般するには前提が弱いかなと感じた。災害後という特殊な状況(社会、集団、個々人において)はトランジションではあるけどシティの一般化には距離があるのでは。 P.S.知っている方なども出て来るのを見ると社会学徒のほんの片端にはなれたのかなとも思えました。2025/03/16

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