内容説明
「食いだおれ」のイメージに収まらない多彩な伝統食材、商都大阪をつくった女性たちのまなざし。
京都・奈良に引けを取らない仏教美術、日本を代表する最先端の知的ネットワーク。
主流ではなく非主流、中心ではなく周縁。
大阪生まれの民俗学者が、「美食」「デザイン」「女性」「リベラルアーツ」「非主流」「ハイブリッド」「越境」「多国籍」という8つのキーワードから〈大阪とは何か〉を問いなおし、この街の忘れられた記憶を再発見する。
「大阪の中心を「船場」とする見方は、戦後、歴史学者の宮本又次によって学問的な裏づけがなされ、1990年代には、作家・文芸評論家の大谷晃一が一連の『大阪学』で、大阪を「キタ」と「ミナミ」で語る“定型的”な大阪観を定着させた。宮本と大谷に共通してみられるのは、大阪・大坂を、江戸・東京と対照させる姿勢だった。
しかし本書では、大阪を東京と比較したりはしないし、また西日本の代表だといった立場をとったりもしない。なぜなら、大阪は独自の土壌に、オルタナティブな文化をはぐくんできたからである。」(本文より)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
106
「がめつい」「おもろい」で片づけられる大阪だが、畑中さんは、大阪が最先端の知的ネットワークを牽引してきたことを、歴史上の人物を通じて明らかにする。その知性の基礎が、契沖、慈雲、山片蟠桃、富永仲基、緒方洪庵。懐徳堂・蒹葭堂・適塾のような民間の学問所を通じて、自由でしなやかな人材が育てられる。また、与謝野晶子、山崎豊子、広岡浅子、コシノ三姉妹など、大阪は女性の活躍の場でもあった。…と、大阪人脈を誇りたくなる気持ちは分かるが、折口信夫も須賀敦子も「大阪」に関連付けるのは、少し、牽強付会な感じがするが…。2025/07/21
HMax
35
大阪についての勉強の締めくくりの一冊、「新」大阪学。東京やどこやらとの対比ではなく、大阪という土壌に育まれたオルタナティブな街。チンチン電車に乗れば現在・過去・未来の大阪という街が理解できる。その始まりの「物の始まり何でも堺」からページを繰って、「あべのハルカスのスターバックス」で終わる。古代の都の思い出から、学者、文化人まで、これからどんな大阪になっていくのか。この本に刺激されて、今日は神功皇后が新羅から帰って来た時にお座りになった大岩がある坐摩(いかすり)神社に参ってきました。2025/10/21
Hiro
4
最初大阪の地形、上町台地とか淀川とか池や沼などから街の成り立ちを探る、ブラタモリ的な本かと思って読み出したがそうした考察は冒頭の阪堺電車と大和川の話くらいで、あとは大阪ゆかりの商人、実業家、文化人の紹介とその出生地や居住地、関係する建物、神社仏閣などの探訪にあてられている。須賀敦子まで出てきたのにはびっくりした。2025/08/05
いぬたち
2
主に近現代の大阪の文化を中心に解説した本。個人的に知りたかったことが多くしっくりと理解することができる。ただ範囲が広すぎて焦点がぼやける感があり大阪として無理やりまとめた感じがしないでもないがエッセイ感覚だと思えばいいのかな?知らんけど2025/08/27
spike
2
5年ほど前まで毎月大阪に出張で通い、年数十日を過ごしていた。その頃はいわゆる大阪本を読み漁り、出張者だけど大阪LOVERになろうとしていたのを思い出す。この本はもちろん「大阪案内」とくくれるものではなくて、在住の人もそうでない人もホントにわかってる?と問い続けたかったのだと思った。かなり読んでて楽しかった。2025/06/10
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