内容説明
盛者必衰の嫌われ者なのに
なぜ平家に心を寄せてしまうのか?
多くの作者たちが書き足し、書き変えてきた壮大な物語を、
図解でわかりやすく解説した入門書の決定版!
鎌倉から南北朝期にかけ、多くの作者たちによって練り上げられた『平家物語』。
史実をベースにしながらも巧みに時を操り、歴史的人物のキャラクター化がなされてきました。
そこには作為があり、政治的背景が隠されています。
本書は覚一本『平家物語』をもとにそれらを紐解き、あらすじや有名エピソードのほか、当時の武士・貴族の行動や考え方なども解説しています。
本書は、『平家物語』の入門書として最適なだけでなく、その複雑さを読み解くことでより深く楽しめるように構成されています。
平安武士の生き様がマルわかりの1冊です。
実は、『平家物語』は滅びの美学や、「諸行無常」を語るための書ではなかったのです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
176
へぇ~。平家物語をよく知らなかったことがよく分かります。例えば、祇園精舎は古代インドの寺院にあった無常堂で、ガラス·白銀の鐘の音色は高く乾いている。ことほど左様に、各巻の逸話を詳細に解説し、この物語の無常感だけでなく、長期に渡る形成過程における京都·鎌倉間の主導権争いによる産物であることを知らしめる。平家=猫、源氏=犬、皇族=タヌキ、公卿=キツネで描かれる、ほしのちなみさんのイラストが、楽しいような分かりにくいような。2024/11/03
えんちゃん
63
図鑑だから全部を読解するのは難しいけれど、先日読んだ『さまよう神剣』のおさらいが出来て勉強になった。平家は猫キャラ、源氏は犬キャラ、天皇家はたぬきキャラと、各人を表したイラストが面白い。平維盛と六代は美しかったようで、イラストもイケメン猫だった。2024/06/21
ALATA
55
みなが慣れ親しんでいる平家物語「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり・・・」いつ、だれが語ったものなのか?面白い内容でした。一般に琵琶法師の語り、伝承によるとの通説がありますが中世より130年くらい時を経て数十万人の改作によるものというのは驚き。判官びいきの日本人、皆、義経が好きですもんね。頼朝の挙兵、平家の都落ち、壇ノ浦合戦と史書は鎌倉方、京都方に分けられ世論誘導が目的だった。なるほど★4※最近、私が読んだのは林さんの書籍で治部卿局、平維盛、建礼門院、後白河法皇など個別のキャラが立っていてよかったな。2025/02/25
ポチ
42
平家物語を噛み砕いて解説する事により、平安末期の源氏、平氏、朝廷なども分かり易く詰まっている。2024/06/06
こちょうのユメ
20
本書は、古川日出男訳『平家物語』を理解するうえで役立つ一冊だった。平家を猫、源氏を犬、皇族をタヌキ、藤原系をキツネとする独特の作画により、物語の構造や登場人物の関係が視覚的にとらえやすい。図鑑形式の解説は、全体を見渡しながら楽しめる工夫がなされている。『平家物語』は数十人によって作られた複雑な作品で、歴史的な事柄に虚構や伝説がミックスされている。物語のメインは平家の滅亡であり、栄光と没落、無常観が鮮やかに描かれる。視覚的なアプローチをいかした本書は、『平家物語』をふかく理解するための良きガイドである。2024/11/08
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