占領期のメディアとインテリジェンス

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占領期のメディアとインテリジェンス

  • 著者名:土屋礼子
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  • 青弓社(2024/12発売)
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  • ISBN:9784787221049

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内容説明

1945年9月から52年4月まで、アメリカを主力とする連合国軍によって日本は占領下に置かれていた。民主化政策の下で、占領期のメディアに対する統制や検閲による変化の実態はどのようだったのか。また、朝鮮半島をめぐる情報戦はどのようにおこなわれたのか。

本書ではまず、暴露系の時局雑誌やスポーツ紙、大学生新聞などの主流ではないニュース・メディアの展開を史料から跡づけ、出版やCIE図書館をめぐる施策をひもといて、当時の人々に占領期のメディア政策がどう受け止められていたのかを明らかにする。そして、占領期のインテリジェンス(情報分析や防諜活動)のありようを、朝鮮戦争に関する主要メディアの報道、連合国軍の心理戦としての宣伝ビラ、プロパガンダ放送などを事例に浮かび上がらせる。

日本のメディアにとっての占領期のインパクトや、日本の情報政策・機関と占領期の関係性を、アメリカ国立公文書館所蔵の史料などを駆使して鮮やかに描き出す。

目次

序 章 複眼で占領期メディアをみる

第1部 占領期のメディア

第1章 占領期の時局雑誌
 1 「時局雑誌」の来歴
 2 占領期の時局雑誌
 3 暴露系時局雑誌のさまざま

第2章 占領期の大学生新聞
 1 「大学生新聞」というメディア
 2 敗戦までの大学生新聞の概略
 3 占領期の大学生新聞と学生運動
 4 占領軍による大学生新聞の分析と評価
 5 検閲と用紙割り当てを通じたコントロール
 6 インボデンによる大学生新聞論

第3章 創刊期のスポーツ紙と野球イベント
 1 第二の「野球狂時代」とメディア
 2 女子野球チームの誕生
 3 女子プロ野球リーグと『日刊スポーツ』
 4 映画人野球と『スポーツニッポン』

第4章 占領期のCIE図書館というメディア
 1 初期のCIE図書館と利用者
 2 CIE図書館のネットワーク形成
 3 朝鮮戦争以降のCIE図書館
 4 記憶のなかのCIE図書館

第2部 占領期のインテリジェンスとプロパガンダ

第5章 占領軍G-2歴史課と旧日本軍人グループ
 1 参謀第二部(G-2)歴史課の成立と戦史記録調査研究所
 2 G-2歴史課に集められた旧軍人たち
 3 戦史のゆくえとインテリジェンス

第6章 占領軍の翻訳通訳局(ATIS)によるインテリジェンス活動
 1 占領初期のATIS
 2 中央尋問センターと復員者の尋問
 3 ATISの活動の見直しとリンガー・プロジェクト
 4 朝鮮戦争とATISの終わり

第7章 対日心理戦としての朝鮮戦争報道
 1 “忘れられた”朝鮮戦争報道
 2 朝鮮戦争報道の始まり
 3 NHKニュースに対するCIEの指令
 4 中立論への攻撃と「思想戦」
 5 CIEと新聞社による朝鮮戦争関係の世論調査
 6 従軍記者の検閲
 [翻訳資料] 報道諮問部 検閲基準

第8章 朝鮮戦争での宣伝ビラ
 1 朝鮮戦争での心理戦の始まり
 2 第一期――初期の宣伝ビラ
 3 第二期――中国軍参戦と組織改編
 4 第三期――休戦会談以降の宣伝ビラ
 5 日本人の関与と北朝鮮のビラ

第9章 朝鮮戦争のラジオ・プロパガンダ
 1 初期のラジオと心理戦の方針
 2 中国参戦後のラジオ・インテリジェンス
 3 国連軍によるラジオ・プロパガンダ
 4 日本人の協力とフェイドアウト作戦

第10章 リオスノフ文書にみる朝鮮戦争での心理戦とその後
 1 朝鮮戦争初期のラジオ・プサン
 2 リオスノフによる放送原稿の作成
 3 捕虜へのインタビュー
 4 心理戦ラジオニュース
 5 休戦後の心理戦

終 章 終わらない心理戦

初出一覧
あとがき

事項索引
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

狐狸窟彦兵衛

1
日本にいて「戦後」というと、第二次世界大戦、アジア太平洋戦争が終わった以降で、私たちは80年間も「平和」が続いている、と感じています。しかし、実は朝鮮戦争は、休戦しているので、終わったわけでは無いし、イスラエルや中東の紛争も、第二次大戦の戦後処理が終わってはいないことを示しているのだと思えます。そんな中で、日本の「戦後」はアメリカ軍の心理戦に巻き込まれながら醸成された「自由と民主主義」の中で形成されたのだと理解できます。「平和の意味」お考えさせられる本です。2025/01/21

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