鹽津城

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鹽津城

  • 著者名:飛浩隆【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 河出書房新社(2024/12発売)
  • 真夏も楽しく!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/11)
  • ポイント 600pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309039367

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内容説明

地球にとつじょ悪魔が現れ、不浄な世界は白く覆われんとしたとき、女、鮫を踏みてこの地に渡りきたりき……SF界の巨匠がおくる、新たなる国創りの物語。五年ぶり、待望の最新作品集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

keroppi

56
交わらない時間と空間が微妙に響き合い不思議な現実感を生んでいく。パラレルワールドと言えばそうなのかもしれないが、そうとも言えない感情が浮き上がる。この感覚は、飛浩隆特有の世界であり、その世界に浸る喜びをおぼえている。2025/04/19

藤月はな(灯れ松明の火)

52
「海の指」と思考がリンクする「鎭子」は、鎭子が生きる為に別の世界(同作者の短編「海の指」の世界)を生み出し、儘ならぬ現実と重ねる様に体中が響き合うような感覚を味わう。また、鎭子の心に抱えている屈託や本音の表現が絶妙なのだ。この言葉たちが表現できなかった自分の中の諦めや燻る怒りへすとんと落ちてきて安心した。特に結婚を勧める母に「うっとうしいに決まっている。私と暮らせば、些細な負担が始末に負えない火山灰のように降り積もる。人生の選択肢をいくつか捨てることになる。こっちだって気が重い」の一文がクリーンヒット!2025/02/10

小太郎

40
「グラン・ヴァカンス」以来、飛さんの小説を読むといつもこちらの想像力を試されているような気がします。この短編集も言葉による暴力ともいえる、壮麗で絢爛たる異世界飛ワールドに満ちた一冊でした。単にSFという枠に収まりきらない広がりを持った世界を堪能できるのは中々得難い読書体験でした(飛さんの小説は大体そうですが)。この中ではやはり圧倒的に迫力に満ちた「鹽津城」そして「自生の夢」にも繋がる「ジュブナイル」「鎭子」が読めたことは嬉しかったです。また新刊を待つことになるのか(笑)★42025/07/31

tosca

28
6篇が収録されている。表題作の読み方は「しおつき」。どれもすんなりとは理解しづらい作品ばかりの中で、一番好きだったのはやはり表題作。著者らしい美しい世界観が堪らない。時代を跨ぎ、異世界が交わり、物語が目の前に勝手に広がる感覚、浮遊感と不安定感はこの著者でしか味わえない。自分にとっては長編だとかなり覚悟して読まなければいけない作家ではあるけれど、短編だと割と気楽にいける2025/03/07

ぐうぐう

28
冒頭に配置された「未の木」は、諸星大二郎を彷彿させる設定で始まる。けれど不穏な、その気持ち悪さは設定だけに留まらない。奇妙なズレ(あるいは奇妙な一致)が、小説ならではの試みとして不穏に、そして気持ち悪くなりながらも、どこか他人事ではない感覚にさせられるのだ。どの収録作にもそれは共通している。最も象徴的で、かつ感動的なのは表題作だろう。三つのパートがランダムに登場する構成は、時代も世界も異なるそれぞれのパートでありつつ、同時に繋がりも示される。(つづく)2025/02/13

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