内容説明
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古今東西の文学作品の中には、一生かかっても読みきれない数の、おもしろい小説の山がある。本書はフランス文学者の著者が、読んでおもしろいフランス小説をセレクト、そして、サブカルチャーや他のメディアとの関係を含めたさまざまな文化的・社会的観点から解析し、それを日本人の作家たちがどう読んだか、そして、その結果、なにが産まれたかをまとめた今までになくユニークなガイドブック。
目次
第一章 マルキ・ド・サド-十八世紀末が二十世紀末によみがえる
第二章 バルザック-登場人物二四〇〇人の超大作
第三章 ヴィクトル・ユゴー-名作がミュージカルに?お昼のメロドラマに?
第四章 モーパッサン-三十八歳でも、老いるのは恐ろしい
第五章 サン=テグジュペリ-空よりも、海よりも、宇宙よりも孤独
第六章 サルトル-若い小説家の出発
第七章アゴタ・クリストフ-光は東欧から
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
明石です
5
谷崎潤一郎に田山花袋、大江健三郎と、明治以来の日本の文士がいかにフランス文学を読み、自作に取り込んできたかという、いうなればフランス文学の日本における需要研究の一冊。サドやバルザックに始まり、直近(出版年が93年なので当時は超直近)ではアゴタ·クリストフと、日本でウケたフランス文学作品を、日本人の需要というプリズムを通して見る視線は、なんだか灯台下暗しというか、私には目新しく感じられ、終始興味をそそられつつ読了した。知識教養云々というよりもまず、フランス文学を身近に感じさせてくれる本ですね。良書。2024/01/02
Shun'ichiro AKIKUSA
5
書きぶりはかなり軽い。2023/12/15
ふみすむ
4
サド以降のフランスの代表的な小説家とその主要作が紹介されている。また、サルトルに触発された大江健三郎、バルザックに私淑した谷崎潤一郎など、比較文学の視点から近代日本作家を論じているのも本書の特徴である。なかでも、田山花袋が一心不乱にモーパッサンの小説を研究していたというのは興味深かった。現代の芥川賞にも通じる「私小説」、その嚆矢である『蒲団』がフランス文学の影響によって生まれたなど。感慨深い。2013/10/08
kiji
2
フランス小説の紹介以上に、それらに影響を受けた日本人作品の解説が面白かったです。谷崎、モーパッサン、大江健三郎、アゴタ・クリストフらに興味がわきました。それにしても未読作品のなんと多いことか2010/10/26
nranjen
1
フランス文学を、日本作家(主に)の受容を通してダイナミック縦横無尽に論じている。でも、そういえばこういう視点ってなかったなー。意外な盲点な気もする。2015/02/25
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