内容説明
猫はかわいい。猫好きの血は平安から現代まで受け継がれてきました。しかし猫ラブな貴族も和歌に猫を詠むのはNGだった? そんな猫和歌誕生のきっかけはあの名文学×武家歌人のアヴァンギャルド精神……! 連歌はなぜ猫を定番に詠むのか? 江戸期、恋する猫の出現から魚好きでものぐさ、時にアンニュイな猫を描く名句・名詩とは? そして文明開化、妖しい魅力の猫にたどり着くまで……! 「猫うた」の千年語りが日本の詩歌をひもときます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
to boy
14
これは楽しい一冊。猫を謡った和歌、連歌、俳諧、俳句などについてその歴史、変遷がわかりやすく書かれています。源氏物語で描かれた恋のきっかけを作る猫から、恋する猫、かわいい猫、憂鬱な猫への進化が面白い。昔は猫に牡丹というのが当たり前だったとは初めて知りました。2024/12/31
小梅さん。
13
平安時代からの、様々な形で歌に詠まれてきた猫のお話。 学校の講義を聴くみたいで、でも、まったく堅苦しくはなく、楽しく、興味深く読んでいた。 平安時代の猫といえば、清少納言が書いていたり、源氏物語で重要な役割を果たしていたり。 物語のパーツだったり、猫自身が主役だったり、読まれ方にも時代性があるようで、面白かった。 著者紹介によると、大学の先生のようで、この先生の、この本の内容のような講義、受けてみたいなぁ。 2025/01/09
このみ
6
平安から明治にいたる千年の年月、猫がどういった存在であったのかを、猫の登場する和歌、俳句、漢詩、詩歌から読み解いていく。平安時代に空海の書いた本に「猫」の記載があったことが日本最古らしい。犬とともに長らく人の近くで暮らしてきた猫。和歌の題材には相応しくないと猫は和歌に詠まれない時期が続いたが、「源氏物語」の「若菜」の巻の「御簾をめくりあげた猫が招いた恋」というモチーフをきっかけに「猫=恋」と記号化される。「猫の緒の掛かりし御簾の間よりほの見し人をねうとこそ思へ」の色っぽさ。「妻恋ひに八重垣くぐる雄猫かな」2026/01/15
てくてく
6
猫とくれば源氏物語の女三の宮というイメージがあったので、猫に関する和歌は多い様な気がしたが、実際には「獣」は和歌にはふさわしくないという暗黙のルール(伝統)があったのか、表舞台で読まれたり歌集として編まれた中にはほぼ無いこと。その中での源氏物語、頼政、そして能の中に猫が登場することは貴重であったこと、その後、日常生活における面白みを大事にする俳諧で猫が登場する回数が増え、近代以降の短歌で、たとえば啄木や白秋が歌に詠みこむことで、魔性としての猫の魅力も描かれるようになった、らしい。猫好きなので楽しかった。2025/07/06
Hanna
3
親しみやすい大学の先生による猫の歌にまつわる歌論。いつから猫が歌に詠み始められたとか、なかなか楽しい。2024/12/19




