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内容説明
資本主義の地球的包摂を理解する手だては本書のなかにこそある――。近代諸科学の知的源泉として、マルクスの考察は今も生々しく、そして新しい。 労働者が資本への屈従を強いられるようになったのはいつからなのか。下巻には、第4篇の続きである「第13章 機械装置と大工業」から「第7篇 資本の蓄積過程」までを収める。商品と貨幣への理論的問いから始まった『資本論』は、ここで産業革命の出発点をなす機械装置の歴史的意味を問う。経済成長が貧困を増大させる──今日なおわれわれを苦しめるこの逆説の由来を、マルクスは剰余価値論と蓄積論により解明していく。資本主義が地球的包摂を進めるなか、根源的批判への手だてを得るには今も本書を紐解くほかはない。原文の躍動感を再現した翻訳で『資本論』の不朽性を開示する。
目次
第一巻 資本の生産過程(続)/第一三章 機械装置と大工業/第一節 機械装置の発達/第二節 機械装置から生産物への価値移転/第三節 機械経営が労働者に及ぼす直接的影響/a 資本による補助的労働力の取得 女性労働と児童労働/b 労働日の延長/c 労働の高密度化/第四節 工場/第五節 労働者と機械との闘争/第六節 機械装置によって駆逐された労働者についての補償説/第七節 機械経営の発達にともなう労働者の排出と吸引 綿工業恐慌/第八節 大工業によるマニュファクチュア、手工業、家内労働の革命/a 手工業と分業にもとづく協業の廃棄/b 工場制度がマニュファクチュアと家内労働に投げ返す作用/c 近代的マニュファクチュア/d 近代的家内労働/e 近代的マニュファクチュアと近代的家内労働の大工業への移行 これらの経営様式への工場法適用によるこの革命の促進/第九節 工場立法(保健・教育条項) イギリスにおけるその一般化/第一〇節 大工業と農業/第五篇 絶対的剰余価値と相対的剰余価値の生産/第一四章 絶対的剰余価値と相対的剰余価値/第一五章 労働力の価格と剰余価値の量的変動/第一節 労働日の長さと労働の密度が不変(所与)で、労働の生産力が可変である場合/第二節 労働日と労働の生産力が不変で、労働の密度が可変である場合/第三節 労働の生産力と密度が不変で、労働日が可変である場合/第四節 労働の継続時間、生産力、密度が同時に変化する場合/第一六章 剰余価値率のさまざまな公式/第六篇 労働賃金/第一七章 労働力の価値または価格の労働賃金への変容/第一八章 時間賃金/第一九章 出来高賃金/第二〇章 国による労働賃金の違い/第七篇 資本の蓄積過程/第二一章 単純再生産/第二二章 剰余価値の資本への変容/第一節 拡大された規模での資本主義的生産過程 商品生産の所有法則が資本主義的取得法則に転じること/第二節 拡大された規模の再生産に関する経済学の誤謬/第三節 資本と収入への剰余価値の分割 節欲理論/第四節 資本と収入への剰余価値の分割比率とは無関係に、蓄積の規模を規定するさまざまな事情 労働力の搾取度──労働の生産力──投じられる資本と消費される資本との差額の増大──前貸資本の大きさ/第五節 いわゆる労働原資/第二三章 資本主義的蓄積の一般法則/第一節 蓄積にともなう労働力需要の増加 資本組成が一定の場合/第二節 蓄積と、それにともなう集積の進行途上で生じる可変資本部分の相対的減少/第三節 相対的過剰人口または産業予備軍の累進的産出/第四節 相対的過剰人口のさまざまな存在形態 資本主義的蓄積の一般法則/第五節 資本主義的蓄積の一般法則の例示/a 1846─1866年のイギリス/b イギリス工業労働者階級の低賃金層/c 移動民/d 恐慌が労働者階級の最高賃金層に及ぼす影響/e イギリスの農業プロレタリアート/f アイルランド/第二四章 いわゆる原初的蓄積/第一節 原初的蓄積の秘密/第二節 農村住民からの土地の収奪/第三節 一五世紀末以降の被収奪者に対する血の立法 労働賃金引き下げのための諸法律/第四節 資本家的借地農業者の発生/第五節 農業革命が工業に投げ返す作用 産業資本のための国内市場の形成/第六節 産業資本家の発生/第七節 資本主義的蓄積の歴史的傾向/第二五章 近代植民理論/『資本論 第一巻』 解説(今村仁司)/文庫版訳者あとがき(三島憲一・鈴木直)/人名索引
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