内容説明
ロンドン警視庁を辞め、ケイレブ警部のいるヨークシャーのスカボロー署に移籍しようと向かう列車のなかで、ケイトは見知らぬ男に銃で狙われた女性を助けることになった。犯人は乗客に紛れ逃走したが、ケイトは足を負傷する。その頃高校の女性教師が自転車で走向中に、転倒させられ、さらに銃撃される事件が起きた。銃弾はそれたが、転倒で脊髄を損傷した彼女は四肢麻痺となり、話すこともできなくなってしまう。そして、驚くべきことに、列車内で使われた銃と、彼女を狙った銃が同一ということが判明。ふたりには何の接点もないというのに……。ケイト・リンヴィル・シリーズ第3弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
86
〈ケイト・リンヴィル〉シリーズ3作目。上巻で事件が広がり先が見えないのは、この作家さんの特徴かな。今作もつながらない事件と先行きが見えない捜査。主人公のケイトはケイレブ警部のいるスカボロー署へのを移籍を決めた。2人一緒で鬼に金棒と思いきや、今回捜査から外れたのはケイレブ。外されただけではない、メンタルもとても心配だ。そして署では人員が足りない、チームはうまく稼働していないと八方塞がり、さて下巻でどうなっていくのだろう。2025/02/04
タツ フカガワ
72
スコットランド・ヤードを辞めてヨークシャーのスカボロー署へ向かう女性刑事ケイトは、列車内で男に銃撃されそうになったクセニアという女性を間一髪のところで救うものの犯人は逃亡。2日後、女性教師ソフィアが学校へ向かう坂道に仕掛けられた罠で四肢麻痺という大ケガを負う。近くに一発の銃弾が発見され、それが先の事件と同じ拳銃から発砲されたものと判明するが、二人の女性に接点はなく捜査は難航する。やがてクセニアが、ソフィアが誰にも語らなかった過去が明らかになりそうなところで下巻へ。面白い。2025/08/21
路地
38
ケイト・リンヴィルシリーズ3作目。前作、前々作と同様に舞台はスカボロー近辺だが、とうとうケイトがスコットランドヤードからスカボロー署に異動することから物語が始まる。相変わらず優れた捜査能力を自信や他者へのアピールにつなげられず正当な評価を得られないでいることが語られるが、ある事件での失態でケイレブが表に出てこれないこともあり本作では今までにない能動的な動きを感じる。読後、間を置かず下巻へ…2025/09/06
ぐうぐう
36
「ケイト・リンヴィル」シリーズ第三作。シリーズものを読む楽しみのひとつとしてキャラクターの成長があるが、本作はまず関係図の変化に「おっ」と思わされる。ケイトとケイレブの関係性が逆転しているのだ。なかなかに憎い展開ではないか。その逆転の構図が、しかしキャラクターのまさしく成長と絡んでいるのだから、さらに憎く上手い。もちろん、事件自体が魅力的で謎めいているのもいい。2025/01/24
ケイジ
35
列車内で銃撃された女性、自転車運転中に針金の罠で事故起こされた女性。ふたりの接点を捜す捜査官ケイト。背後関係が少しずつ明白になっていく過程がとても良い。読みやすくて一番楽しみにしているシリーズです。2025/01/05