内容説明
旧ユーゴ、北欧、南欧、中東、南米、香港……この20年、世界各地の詩祭を渡り歩いてきた。
詩を書くのではなく、詩を生きることを僕は学んだ。
――それでは宴へと参りましょう
言語も国境も個も越えて、知性と情熱が声になる。比喩と多義性に満ちた詩の言葉は、「野蛮な世界」の現実を乗り越える力を増してゆく。
目次
谷川俊太郎さんの名代/仏教・エコロジー・蕪村/言葉と現実の緊張関係/文字通りの母語/停電の町で/二日酔いの雅な調べ/深い眠りのうちに/定住者の支配/炎にくべる魂/ヒップでクールな骨/生と死の二律背反/知性と情熱が声になる/狙撃兵と頭上の鳥/荒野のオリーブ/アラブの少女、ラップの熱唱/谷川俊太郎の「き」/現在に直結する「戦時下」/悲しいと苦しいは違うんだ/香港と自由/傷ついた街を書く/去る者と「留まるコツ」/孤独をのぞく目/政治の街、個人の痛み/ゆがんだ想像力/連詩は川の流れのように/野蛮な世界の桃源郷/「私はいなかった」けれど/地中の「ユダヤの民」/タニロクのブンコウ/日中韓の歌の宴/征服者の言葉で/精神的なワクチン/スーツケースの移動図書館/いや、AIで書けるよ/憎悪を裏返す/類似した中ロの事情/不利な道を選ぶ者/脱出不可能の無人島/スペインの俳句/肉声、そして土の匂い/ノーベル賞詩人の昼食/ブロンテ姉妹の物語/旅するビスケット缶/佐渡とウェールズ/インカレポエトリの風/地球という一座……など103篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
18
谷川俊太郎の名代として日本代表詩人として詩のフェスティバルに出た四元康祐のエッセイ。詩についての本だが、連載されたのが日本経済新聞の朝刊のコラムということあって、読みやすいしわかりやすい。詩(口承詩)のパフォーマンスの楽しさや、各国の社会情勢も伝わってくるエッセイなのだ。例えば香港の民主化運動のさなかに行われたフェスティバルの詩やパレスチナ詩人の声(そのあとに死亡)がダイレクトに伝わってくる。また日本の俳諧の影響から、連詩の試みも面白い。中にはAIを混ぜての連詩とか、ニュース的にも興味深いコラムがあったり2025/01/22
くさてる
15
著者のことはまったく知らず、装丁と、パラパラとページをめくったときに目に入った言葉の感じが良くて手に取った一冊。ほとんどすべてが詩の話、それも縁遠い外国詩人のことが主なのに、面白く読めたのは、使われている言葉のせいだろう。平易だけど美しく、読みやすく深かった。何冊か読んでみたい本が増えました。2025/03/19
takao
1
ふむ2025/06/23
amanatu_siranui
1
ずっと詩人と詩祭の話だったが、良い詩がいくつかあった。詩集を読んでみようか。2025/01/18
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