内容説明
馬子との緊迫したやりとりに疲れた守屋はやむにやまれぬ慕情を胸に矢鳴姫のもとを訪れる。守屋を愛してやまない矢鳴姫は、馬子と敏達大王の皇后である豊御食炊屋姫(とよみけかしきやひめ)に追い詰められた守屋に最後までついていくことを誓う。風雲急を告げる大和の地に瘡(かさ)の病が蔓延(まんえん)し、大王まで床に伏した。古代史小説の白眉。
感想・レビュー
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33
*天皇小説・敏達天皇(びだつてんのう)*時の倭王、敏達大王は頭を抱えていた…。臣下である、武勇の物部守屋、知謀の蘇我馬子。両者の対立はもはや戦争を避けられぬ事態まで深刻化していた…。物部氏VS蘇我氏…ついに両雄は激突する!?(紹介文・他より)――さて…もはや説明不要な有名エピソード『物部氏VS蘇我氏』しかし…その実のところは、歴史の教科書で数行で記述される様な単純な出来事ではなかった…と、いうのが今回のお話。 ⇒続き2014/03/20
はらぺこ
23
やっと読み終わった。知ってる地名が多くて風景を想像しやすかったけど凄く眠かったです。2018/10/29
RASCAL
8
蘇我馬子と権力抗争を繰り広げながらも天の時が味方せず、起死回生のクーデター策も愚昧な穴穂部皇子のせいで不発。時の流れに迎合せず、最後は名門氏族としての矜持に殉じた物部守屋。覚悟の敗者は悲壮で美しい。これで時代は蘇我氏の天下、引き続き「聖徳太子」(全4巻)を読みます。時代的に、昔読んだ山岸涼子さんの漫画「日出処の天子」の前半部分とダブります。改めてあの漫画の時代考証のすごさに感心。2013/01/14
kiiseegen
7
俄然、物部守屋びいきに...ゆかりの八尾市散策でもしてみるか。この物語に登場の日羅に付いてはまったく知らず、しかも墓は大阪市内にあったとか。石碑まで立てられている方なのに。2021/02/01
Mana
7
上下まとめの感想。継体天皇の続きが読みたかったんだけど、欽明天皇を飛ばして敏達天皇から始まってしまった。仏教を軸に蘇我と物部が対立。物語の最後が、聖徳太子の物語は繋がっていく。この時代で物部視点の物語は初めてで、新鮮味があった。2020/11/30