内容説明
気鋭の歴史学者と助手が迷い込んだバーは美人バーテンダーと常連の老人が歴史談義に花を咲かせる一風変わったお店だった。歴史の常識では考えられないような奇説、珍説が飛び出すので、学者と助手は一笑に付すが、話を聞いていると意外や意外、筋が通ってくる――。今回は「ドラゴンと竜」の違いからはじまり「応仁の乱のはじまりと終わり」「天草四郎の正体」そして「徳川埋蔵金の本当のありか」まで、目から鱗の歴史の新説が次々に飛び出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
129
安田、また酒を吹き出すのかい!と、ツッコんだのは一話目だけで、二話目以降は酒を吹き出さなかったのは大人になったというか大人の飲み方を覚えたかな。だけど、安田の心の声が前作よりくどく感じた。喜多川先生は前作より妙に大人しかった気がする。どうしても前作と比較して読んでしまい、テーマもイマイチに感じたけど、応仁の乱は妙に納得。ミサキさん、なんかミステリアス、妖艶に感じてたけど、ラストの話でゾクッとして、この人怖いと思った。珍説、奇説、それなりに楽しめたけど、なんかモヤモヤして、個人的には残念な終わり方。2025/01/07
ヒデキ
34
元本を読んでいるんですが、まるで覚えてなくて 新鮮に読めました 鯨先生のと言うかミサキさんの切口に「え~!」となってしまったのは、相変わらずの感じでした。 一部、修正かけてあるのかな?と思える記述も楽しかったです2024/11/21
マッちゃま
17
バーを舞台とした鯨流 歴歴史談義ミステリのシリーズ第2弾。今回は「ドラゴンと竜の違いとは」「応仁の乱の始まりと終わり」「天草四郎の正体とは」「徳川埋蔵金の本当のありか」について、酒を片手に過去の資料を読み解き、新たな解釈が浮かび上がる。シリーズ2作目にして気になるラストで終わりましたが、もう続編はナシなのかな?邪馬台国は…シリーズは今は殺人を絡めて中身も長編化して、何となく無理やりに感じてしまってますけど、こちらは前述の初期作品の薄味風味感はあれど軽く読むには楽しいシリーズなので期待はしたいんですけどね。2025/02/12
Ryuya Matsumoto
10
いろいろな考えに触れるのは楽しい。主人公(?)の学生さんの心の声はほぼすっ飛ばして読みました。2024/12/02
オールド・ボリシェビク
7
飲み屋のママなどが、歴史上の謎などをあれよあれよと解いていくミステリ。鯨統一郎はこの手のミステリの走りで、「邪馬台国はどこですか」を初めて読んだのはいつのことだったか。1997年ごろか。先日、亡くなった書評家の茶木則夫さんに薦められて読んだんだったなあなどとさまざまな記憶がよみがえってきた。本書もその流れで、バーの美人バーテンダーが「徳川埋蔵金の在りか」「天草四郎の正体」「応仁の乱の真の勝者」を一発で当てる。まあ、一種の歴史解釈への切り口として楽しめますね。2024/11/22