内容説明
雪国の大寺院に生まれた主人公・宮城は寺を継ぐことを拒絶し、寺院生活を護る父との間に凄絶な対立が生じる―。痛烈な教団批判と煩悶青年の葛藤を息づまる迫力で描く、松岡譲の代表作、待望の復刊。解説=野尻はるひ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kichy
5
寺の後継者として期待されながらも寺に住む人間の生活と信仰の間の矛盾が許されず、煩悶する様子が赤裸々に描かれている。昔の僧侶と門信徒の関係が良く分かる。これほどまでかつての村社会は封建的で差別構造が横たわっていたのかと改めて認識した。寺の後継者という立場の自伝小説であり負の側面が強調されているが、真宗には民衆の精神生活を豊かにした力も確かにあったことは忘れてはいけない。主人公のように純真な感性を持ち問題点を抉るような思考を行う人間は生き辛いだろう。中巻ではどのように話が展開されるのか引き続き読み進めたい。2024/11/27
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