内容説明
よそ者の自分が広報紙を作っていいのかと葛藤する新藤結子。ある日、取材先へ向かう途中で町を大地震が襲う。仕事を再開しようとするが筆は全く進まず、上司・伊達に手伝いを頼むもすげなく断られる。避難所では被災者にけむたがられ、自分の無力さを嘆く結子だったが……。広報紙は大切な人たちを、町を救うことができるのか。シリーズ第三弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジンベエ親分
20
2ヵ月連続の続編そして続々編が発刊され、これでひとまず完結ということに。こんなに重いテーマが出てくるとは思っていなかったので冒頭で腰を抜かしてしまったが、後書きを読めば当初からの構想だったらしい。第一作目の少し軽めのタッチからは、こんなところに着地するとは思いもよらなかったけど、読めて良かった。とてつもなく重くて苦しい冒頭から、前作までの登場人物が少しずつ出てきて前に進んでいく展開にアツくなった。希望があるから人は前を向くのではなく、前を向くことそのものが希望なんだな。繰り返すけど、読めて良かった。2024/11/14
leo18
7
10年ぶりの続編であることや今震災の話を書くことなど、あとがきを読んでいろいろ腑に落ちた。今までの出会いを通じての最後の展開は熱い。2024/11/19
デジ姫
6
シリーズ3作目にして完結とは・・でも中身の詰まった読みがいある本でした。スピンオフでもいいからまたで彼女たちと出会いたい。2024/12/30
もっぱら有隣堂と啓文堂
6
シリーズ最新刊第三弾にして完結編。伊達は広報課というか広報業務から卒業し、伊達の弟子・結子が後継者として独り立ちしその穴を埋める。前2作は地味にしっかり謎解き、ミステリーしていたが、本作はシリーズ初っ端で出てきた伊達の言う愛、町民への愛というお題目に結子が自分なりの答えを出す。今回のストーリーの背景が震災、その復興における自治体広報のあり方的なかなり骨太なしろものなので、悲劇を下敷きにしたご都合主義が展開されることも危惧されるが、そのあたりは軽すぎず重すぎず上手く処理できているかな。楽しめたシリーズでした2024/12/04
ユウハル
6
愛に溢れたお仕事小説でした!間違いない! 最後まで恋愛に疎い結子が不憫ではあったけど、本人はやる気に満ち溢れていてとても元気をもらえた。今作は伊達さんの事情を含め状況的に辛いことが多かったのですが、やはり人と人とのつながり、団結力に助けられました。 あらためて災害の際自分は何ができるだろうかと考えるキッカケとなりました。2024/11/09