内容説明
『神様のカルテ』に連なる勇気と希望の物語。
病む人がいるなら、我々は断るべきではない。
敷島寛治は長野県信濃山病院に勤務する四十二歳の消化器内科医である。令和二年二月、院長の南郷は横浜港に停泊するクルーズ船内のコロナ患者を受け入れることを決めた。呼吸器内科医も感染症専門医もいない地域病院の決断は、そこで働く人々と家族に大きな試練を与えることになる。敷島がコロナ診療チームに加わって二月後の四月上旬、保健所は信濃山病院の感染症病床を六床から十六床に増床するよう要請する。コロナ診療のすべてを小さな信濃山病院に背負わせようとする地元の体制に院内は紛糾するが…。
※この作品は過去に単行本として配信されていた『レッドゾーン』を改題した文庫版です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
78
(2025-4)【図書館本-3】2020年の春、あっという間に全世界に広がった新型コロナウィルス。そのコロナ第一波の医療現場を描いた作品。後書きで著者が記しているように本書はあくまでもフィクションであるが、嘘は記していないという。特効薬もワクチンも無いだけでなく、最低限必要なマスクや防護服まで使い回ししなければならないほどの状況で、決して感染症の「専門家」ではない医師達が直面した焦燥、恐怖。医師とはいえ、人間であり、家族もいる。当時このようにして立ち向っていた医療従事者には感謝の言葉しかない。★★★★2025/01/07
涼
62
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/12/post-a8b8cf.html 「病む人がいるなら、我々は断るべきではない。」という信念の元、あの2020年の医療を支え続けた医師たちの群像劇です。2024/12/28
吉子
48
ヨーロッパでは死亡率15%という恐怖の新型コロナが発祥した時の医療現場の物語。治療法のない未知の感染症だった頃、病院で働く人々や家族がどんな気持ちだったのかが分かった。当時ニュースでも見ていたが、医療現場は本当に大変だったんだ、と改めて思った。逃げ出さず、専門外でも、患者を受け入れてくれた医師達に尊敬と感謝しかない。2025/04/27
KEI
42
著者の新作かと思い喜んで購入したが、「レッドゾーン」を文庫化する時の改題だった🥲 時は横浜に感染者を乗せたクルーズ船が着いて、その患者を遠い長野県でも引き受けた頃。専門の呼吸器内科医もいず、感染症の専門医もいない小さな公立病院で患者に対応する医師達の葛藤をリアルに描いていた。ワクチンも無く、これと言った治療薬もない。自らも感染する恐れを感じながらの暗中模索の治療を続ける医師達の使命感が良かった。あの時はとむしろ懐かしさすら感じてしまった。医師達の一言一言が心に響いた。2025/02/16
ミワ
37
5年前、緊急事態宣言で人の嫌な部分をすごく感じた。スーパーやドラッグストアでの買い占め。それを見るのが嫌で一時期大型スーパーに行くのをやめた。まだ薬やワクチンがないこの当時、戦ってくれた医療従事者の方に本当に感謝です。P370「ユーモアというのは、一種の鎮痛薬でしてねぇ。パニックを回避して、物事と冷静に向き合う時間を与えてくれるんです。」この言葉がすごく好き。大切にしたいと思った。2025/01/25
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