文春文庫<br> 中野のお父さん

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文春文庫
中野のお父さん

  • 著者名:北村薫【著】
  • 価格 ¥740(本体¥673)
  • 文藝春秋(2024/11発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167911348

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内容説明

新迷探偵コンビ登場!?
文芸編集者の娘と高校国語教師の父が、出版社の「日常の謎」に挑む!

主人公は大手出版社「文宝出版」に勤める田川美希。
女性誌から晴れて希望の文芸部門への配属がかなうと、
大学時代までバスケットボール部で鍛えたバイタリティを活かし、
仕事に燃える毎日だ。
ある日、文宝推理新人賞の最終候補を決める会議で、
有力な候補作品「夢の風車」の担当となった美希は、
その候補者へお知らせの電話をかけた。が、まさかの返事を聞くことになる。
「――応募していませんよ、私は」、と。
一昨年までは新人賞へ投稿していた候補者の男性だが、
まったく芽が出ずに今回は応募をしていないというのだ。
何とかこの作品を世に送り出したいと願う美希は、さまざまな可能性を探るが、
どこからこの原稿が届いたのかまるで見当がつかない。
ふと、父親にことの顛末を話してみようと思った。
..高校教師をしている父は百科事典タイプの人間で、
インターネットで分からなかった疑問を解決してくれたりもする。
相談役として誠に便利な存在だからだ。
娘の相談にお父さんが導き出した真実とは果たして?

大作家同士の手紙、スケッチを映した写真、落語の解釈、
マラソン大会でのハプニングなど、中野の実家に住む父は
抜群の知的推理で謎を次々に解き明かす。

「日常の謎」の名手が、自らのフィールドを最大限に楽しみつつ、
新たに送り出したユーモアとけれん味たっぷりの名探偵シリーズ。

解説=佐藤夕子

単行本 2015年9月 文藝春秋刊
文庫版 2018年9月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紅はこべ

191
「傑作だった小説が、映画化されると凡作になることは珍しくない。展開は同じなのに、心に響いて来ない。いかに語られるかーこそが物語を飛翔させるのだ」だから私はあまり小説原作の映画は観ない。映画ファンの方に怒られると思うが、映画が原作を越えることはないと思う。映画は原作と別物と割り切れるといいのだが。現代なら、本のきれいさにこだわる人は電子書籍にすればいいと思うが、そういう人に限って、紙の本にこだわるんだよね。2018/11/23

へくとぱすかる

117
編集の世界のおもしろさ以上に、コージーミステリとしての日常の謎解きに興味がわく。美希が実家のお父さんに相談すれば、たちどころに謎が解ける、という筋がパターン化しているのも、安心して読める材料だと思う。ところで「数の魔術」。メインストーリーではないはずの、中学バスケ部(ひょんなことから美希が外部コーチになった)の試合に興味集中。おもしろかったです。2018/10/10

ガチャ

96
ちょっとした謎を中野のお父さんが解き明かします。重くないのが読みたくて。 時々回りくどく、言葉の解釈にとまどう部分もあったけど、父と娘のやりとりが微笑ましくて良かった。 父親というものは、思っている以上に娘に 甘いらしい。 それにゆかりさんの面接話には笑わせてもらった。 2019/04/19

buchipanda3

89
出版社に勤める娘さんと高校国語教師のお父さんのコンビによるミステリ連作集。「十二時過ぎるとお父さん、眠くなるぞ」など気兼ねない会話を交わす二人のユーモラスなやり取りが心地よかった。謎の多くが本や言葉に纏わるものだったのも嬉しい。その不可思議な謎を物知りのお父さんが僅かな手掛かりを元にスパっと真相を導いていく。普段はふつうな感じなのに謎を前にすると鋭い着眼力を発揮するお父さん。次々と蔵書を繰り出して悩みを解決する姿は確かにドラえもんのようだった。お気に入りは「闇の吉原」「冬の走者」「謎の献本」。2019/04/10

エドワード

87
出版社勤務の美希の忙しくも刺激的な毎日。文学賞、取材、校正、作家の対談、サイン会、仕事の中から数々の謎が飛び出す。謎を解くのは、中野に住む定年間近の父親、高校の国語の教師だ。この親父サン、どうしてそんなこと知ってるの?という百科事典タイプと形容されるお人。国語の先生をなめたらいかんぜよ!全編に日本語への愛があふれる。四月馬鹿、闇の世は、粗忽の使者、女性ガードマン。美希の会社の人々、飲んで食べて徹夜して築かれる信頼関係が羨ましい限り。ゆかり、和歌子、娘にメロメロの丸山編集長。夢を創る出版社はこうでなきゃ。2019/02/25

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