ちくまプリマー新書<br> ぼっちのままで居場所を見つける ――孤独許容社会へ

個数:1
紙書籍版価格
¥990
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

ちくまプリマー新書
ぼっちのままで居場所を見つける ――孤独許容社会へ

  • 著者名:河野真太郎【著者】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2024/10発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480684981

ファイル: /

内容説明

『アナ雪』でひとり氷の城を作ったエルサは本当に孤独だったのか? 運命の恋人、姉妹の愛、孤独から救うのは個人のつながりだけなのか? 映画、マンガ、英文学の名著、とある女王の史実までを読み解き、良い孤独のある社会、孤独を許容する社会を想像する。新時代を目指すカルチャー批評。 【目次】第一章 ロンリネスとソリチュード――または、エルサの孤独/第二章 孤独はいつから避けるべきものになったのか――ひとりぼっちのロビンソン/第三章 「ソウルメイト」の発見――依存と孤独とジェイン・エア/補論 「友達100人」は孤独を癒やしてくれるのか?/第四章 死別と孤独――ヴィクトリア女王から『葬送のフリーレン』へ/第五章 田舎のソリチュードから都会のロンリネスへ――森の生活と、ある探偵の孤独/第六章 自分ひとりの部屋と向かいのおばあさんの部屋――ヴァージニア・ウルフの場合/第七章 誰でも孤独でいられる社会へ――排除型社会と孤独

目次

はじめに/第一章 ロンリネスとソリチュード ──または、エルサの孤独/エルサの孤独と「解放」/二つ(または四つ)の孤独/女性とソリチュード/なぜエルサの幸せな孤独は認められないのか/エルサのアイソレーション/第二章 孤独はいつから避けるべきものになったのか ──ひとりぼっちのロビンソン/ がりたくはないけれど…… /「孤独」を表す言葉の誕生/近代化と個人化と孤独の誕生/孤独なロビンソン/神の秩序に包まれて? /「孤立的経済人」へ/第三章 「ソウルメイト」の発見 ──依存と孤独とジェイン・エア/「ソウルメイト」の誕生/『ジェイン・エア』の物語/ジェインの孤独と「友達」/友情から恋愛へ? /平等な「魂」とジェインの復讐劇/浅い依存と友情/補論 「友達100人」は孤独を癒やしてくれるのか? /第四章 死別と孤独 ──ヴィクトリア女王から『葬送のフリーレン』へ/喪服の女王/ソウルメイトとの死別/共同体的な死、または記憶にとどめる方法/『葬送のフリーレン』と孤独を学ぶこと/記憶・共同体・孤独/有限感覚の希薄化と公認されない悲嘆/第五章 田舎のソリチュードから都会のロンリネスへ ──森の生活と、ある探偵の孤独/ソリチュードの発見/森の生活がくれた孤独/都会のロンリネス/ひとりぼっちのホームズ/第六章 自分ひとりの部屋と向かいのおばあさんの部屋 ──ヴァージニア・ウルフの場合/『自分ひとりの部屋』とソリチュードを得る条件/五百ポンドが可能にする社会的経験/都市遊歩者の自由と孤独/都会と意識の流れ/トンネル掘りと共感の限界/つながる部屋/第七章 誰でも孤独でいられる社会へ ──排除型社会と孤独/ソリチュードという特権? /小山さんの二重の孤独/孤立と排除型社会/二つの「社会」の物語/勝ち組男性の孤独/男性と孤独感のセンサー/孤独許容社会へ/社会を想像する/おわりに/参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Nao023

35
一人でいることを咎められず、一人で居ても生活に困ることのない、「孤独許容社会」は、次の新しい世界のカタチなのかもしれない。 それはつまり、「豊かな社会」ということだろう。2024/12/09

akihiko810/アカウント移行中

31
主に近代イギリス文学などを読み解くことで孤立・孤独とその解消法を探る試み。印象度B+  「社会的な孤独」を文学などから考える。思ってたのとは若干違ったのだが、興味深く読めた。 マイナスな「孤立(ロンリネス)」ではなく、独り豊かで創造的な「孤独(ソリチュード)」もあるという話。そもそも文学は「豊かな孤独」なので、その点は同意する。そして、新自由主義的「排除型社会」ではそのソリチュードの獲得が困難であるということ。そのためにはベーシックインカムのある社会はどうか、という提言。正直、ベーシックインカムには(続2024/10/30

阿部義彦

28
ちくまプリマー新書の最新刊です。孤独と言えば孤独死などネガティブなイメージが有りますが。著者は孤独を4種類(ワンリネス[著者の造語]、アイソレーション、ロンリネス、ソリチュード)に区分して、過去の小説や映画、漫画などを引き合いに、豊かで創造的で幸福な孤独も有るのでは?と論考します。『アナ雪』『ジェイン・エア』『葬送のフリーレン』等がテキストに、後半の女性ホームレスの日記『小川さんノート』が衝撃的。包括型社会から排除型社会になるがネットの発達により同じ土俵で友達ごっこも罵倒も等価になる。死ぬ時は誰もボッチ。2024/10/12

よっち

27
物語の創造的で幸福な孤独のある社会から、映画、マンガ、英文学の名著、とある女王の史実までを読み解き、良い孤独のある社会、孤独を許容する社会を考える1冊。『アナ雪』のエルサは本当に孤独だったのか?ロビンソン・クルーソーに見る近代化と個人化と孤独の誕生、『ジェイン・エア』におけるソウルメイトの誕生、ヴィクトリア女王と『葬送のフリーレン』に見る死別と孤独、田舎のソリチュードと都会のロンリネス、都市遊歩者の自由と孤独、排除型社会と孤独など、孤独の種類を分析してその解消法を探るなかなか面白いアプローチの1冊でした。2024/11/16

11
ロンリネスとソリチュードという種類の異なる孤独をアナ雪を例に定義し、よき孤独をあり方を探していく一冊。SNSが発達し誰もが絶えず繋がることを半ば強いられる現代では孤独はソリチュードになりにくい。大昔をみると「孤高」や「隠遁」がそれに相当する向きもあり、そこまでいかずとも現代もソリチュードを多少目指すことが生き方を楽にするのかなと感じた。その為には経済的、地位的障壁があり、著者はベーシックインカムを唱えている訳だが、物価連動でなければ孤独を埋めるに必要な額にならずソリチュードの援助には難しいのかなと感じる。2025/03/26

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22150900
  • ご注意事項

最近チェックした商品