講談社文庫<br> 魔笛

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講談社文庫
魔笛

  • 著者名:野沢尚【著】
  • 価格 ¥712(本体¥648)
  • 講談社(2024/10発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062748858

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内容説明

白昼、渋谷のスクランブル交差点で爆弾テロ! 2000個の鋼鉄球が一瞬のうちに多くの人生を奪った。新興宗教の教祖に死刑判決が下された直後だった。妻が獄中にいる複雑な事情を抱えた刑事・鳴尾良輔(なるおりょうすけ)は実行犯の照屋礼子(てるやれいこ)を突きとめるが、彼女はかつて公安が教団に送り込んだ人物だった。人間心理の深奥に迫る野沢ミステリーの白眉。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chiru

101
実行犯の女の手記という諦観的な文章から、赤軍をベースにしたものだと思ったら、テロ行為を犯したカルト教団のほうでした。 礼子は公安の潜入捜査をしながら教義に傾倒していくが、逮捕されるなら自分が残したヒントに気付いた刑事であるべきだと望む。 後半の緊迫感はまるで映画のような臨場感。 魔笛に操られた人物たちが、お互いの意図を探り合って、事件の終息を迎えるところが秀逸。 面白かったです!(最後1行は礼子の夢である旅への一歩という意味かな?) ★42018/03/26

ユザキ部長

91
魔笛は警察内部に木霊した。誰かまとまった数の人間の血がなければ平和も秩序も保てない。その誰かは無作為抽出。他所に敵を作らないと自我を保てない。やがて他所を殺した先には自身が敵になる。そんな奴には駅など見えないと思った。2019/09/06

ま~くん

68
圧倒的な臨場感、そして虚無感。人間とはこれ程冷酷になれるものなのか。一瞬にして無辜の人間を殺してしまった爆弾テロ。犯人は公安警察が新興教団に潜り込ませた人物だった。彼女は何故豹変したのか。 追跡する刑事との血みどろの攻防は想像を絶する。終盤は刑務所内での大乱闘、子供達が大勢いる施設での緊迫の爆弾処理、暗殺を狙う公安の追跡劇が同時進行で描かれる。まるでTVドラマか映画を観ている感覚だった。解説を読むと作者は人気脚本家出身とのこと。全く飽きさせないストーリー展開に釘付け。犯人の動きを止める「魔笛」とは一体何?2021/01/22

ジンベエ親分

66
明らかにオウムをモデルにしたカルト教団に潜入した公安の捜査官が、ミイラ取りがミイラになり爆弾テロ事件を起こす。本作は大半が犯人の照屋礼子が事件後に執筆したノンフィクションという形式なのだが、彼女を追う鳴尾、夫殺しで受刑中に鳴尾と獄中結婚した籐子、爆弾処理チームの真杉、礼子を教団に送り込み、現在は礼子の抹殺を図る公安の阿南、等々の一癖もふた癖もある人物が絡み合う緊迫した疾走感がある。…でも「リミット」の犯人の智永、本作の礼子、籐子に色濃く見られる「破滅への衝動」が、著者の最期を思うと何か暗示めいている…2019/05/01

はらぺこ

52
照屋礼子が獄中で書いたという設定に最後まで違和感が拭えなかった。照屋礼子の想像部分と思いながら読んでも違和感はありました。なので、こういう設定じゃなかったら良かったのになぁと思いました。 宗教法人、政治家、公安、国民、全てエゴ。2015/03/16

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