文春文庫<br> 魔女の檻

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文春文庫
魔女の檻

  • ISBN:9784167922917

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内容説明

[村で次々起こる凶事は魔女の呪いなのか?]

雪が降ったのなら、
あんたたちみんな、
これから死ぬよ。

呪いの村に連続する怪死。
この村の秘密は、絶対に見抜けない。

その村を見おろす山からは、かつて魔女とされた女たちが突き落とされて死んだ――。

現在、村は実業家ティオンヴィル氏によって所有され、平穏を保っていた。だが、新たに赴任した警察署長ジュリアンは、この村は何かおかしいと疑いはじめる。

実在しない作家について執拗に図書館に訊ねる老人。
子供が騒いで寝られないと苦情をよこすバス運転手。
2年前に羊を殺戮し、直後に怪死を遂げた羊飼い。
そしてこの村には、ありとあらゆる場所に監視カメラがあるのだ……。

エスカレートしてゆく怪事、死んでゆく村人たち。ジュリアンと部下たちの奔走もむなしく、雪の降る夜に恐怖はクライマックスを迎える!

『魔王の島』で日本のミステリ通を驚愕させた鬼才が、ふたたび放つショッキングな真相。果たしてこの村に隠された秘密とは――?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

144
ホラーテイスト満載のミステリのつもりで読んできたら、ラストで信じられない大逆転劇が。え、まさかそんなと思いきや、さらに悪夢の如き事態が待っていて呆然。果たしてこれで本当に終わったのか、創作と事実の境界線が分からなくなっている。いや小説のはずなのに、いつの間にかノンフィクションのつもりだったのか。本当は書かれざる別の結末がどこかに隠してあるのではと疑ってしまう、作者の巧みな構成と筆遣いは見事の一言。ホラー映画は緻密な計算の上に成り立つというが、本書も隅々まで読者を翻弄するよう練りに練ったドラマに圧倒される。2024/12/12

ちょろこ

113
雰囲気が好みの一冊。いきなり雰囲気にのみこまれそうな幕開けがいい。舞台はかつて魔女裁判が行われた山の麓の小さなモンモール村。そこで村人たちが次々と異常をきたし、謎めいた死を遂げる不可解な事件の謎と村に隠された秘密に赴任してきた警察署長が迫っていくホラーチックなストーリー。誰もの不審な行動、秘密めいた部分はどこかクリスティっぽくもどこかツインピークスっぽくもあり、雰囲気に酔いながら目が離せず惹きこまれた時間で満足。随分と無茶苦茶な行いに恐怖はあれどせつなさも感じられる、そんな複雑な読後感も含めて面白かった。2024/12/10

えにくす

89
今年中に読みたかった一冊。中世に多くの女性が魔女狩りに遭ったモンモール村で、住民たちが次々と奇怪な方法で自殺して行く。新任の警察署長ジュリアンは部下を指揮して捜査に奔走するが、それを嘲笑うかのように犠牲者が増えて行く。各章のひつじのタイトルが、段々と文字が減って行くのが凄く怖かった。気味が悪い物語だけど先が気になり、読む手が止まらなくなる面白さだ。被害者たちを操る魔女の正体は?ジュリアンは無事に、事件を解決する事が出来るのか?衝撃のエピローグで、またも騙された!フランス産ホラーミステリー、恐るべし★4.32024/12/23

yukaring

85
現実と空想の境目が崩れゆく恐怖。幾重にも張り巡らされた罠に絶対騙される驚嘆のホラーサスペンス。過去に魔女裁判で大勢が殺されたモンモール村に赴任してきた警察署長のジュリアン。羊たちを惨殺して自殺した羊飼い、窓の外の囁き声に存在しない作家の本を執拗に探す老人。静かなはずの村になぜか違和感を覚える彼だったが…。「雪が降るとみんな死ぬ」頻発する不可解な怪死事件。そしてある雪夜に村の秘密が明かされる、惨劇とひきかえにして…。前作も好きだったが今回も期待以上の面白さ。予測不能の物語に魅きこまれて一気読みだった。2024/11/09

ナミのママ

79
これはホラー×ホラー?読み終わると一体、何の話を読んでいたんだっけ?と不思議な感覚、そうかフランスミステリだったんだ。新米記者カミーユはメールでネタを提供してきたエリーズの車でモンモール村にむかう。車内で渡された事件ファイルがこの作品の主軸ストーリーだ。呪いの土地で起きた多数の住民が集団で死亡した事件。閉ざされた村の描写と殺害の様子が、魔女裁判の歴史を持つ村に重なりおぞましい。結末には賛否分かれるようだが、少し苦しいながらも納得してしまった。2024/10/17

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