ちくま学芸文庫<br> 江戸服飾史談

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ちくま学芸文庫
江戸服飾史談

  • ISBN:9784480512420

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内容説明

ざっと三百年間の移り変わりを述べることに致します―。大火や幾度もの改革、風呂屋や歌舞伎の流行といった時代背景・風俗とともに語る江戸服飾史入門。明治期、学者・大槻如電が三越呉服店の依頼をうけて講談調で記した原稿に、注釈や図版を多数加え、現代人向けに編集した。金ピカの裃を着て真面目な顔でいる武士たち、ひいきの役者の紋を銀簪に彫る女たち、度重なる倹約令を経てなお新たな流行を作り出す江戸の人々の姿が活写される。当時の語りの面白さを残したユニークな書であり、着物、履物、流行りの模様、髪型、帯の締め方までを詳細に示す貴重な資料である。

目次

はじめに/江戸の風俗衣服のうつりかはり/第一談 慶長、元和、寛永、正保、慶安、承応、およそ五十年/金ピカの裃/小袖/帯は前締め/風呂屋と涼み船/第二談 明暦、万治、寛文、延宝、二十五年/明暦の大火と諸事簡略の令/腰巻羽織/婦人が髪を結い出す/後結びと抱え帯/花見小袖/第三談 天和、貞享、元禄、宝永、正徳、三十五年/町人・百姓の美服禁令/元禄風俗、水木結び/高級織物の国産化/第四談 享保、元文、寛保、およそ三十年/享保の改革/風俗を乱した宮古路豊後掾/文金風/第五談 延享、寛延、宝暦、明和、安永、天明、四十五年/上方役者の影響/蔵前風と十八大通/第六談 寛政、享和、文化、文政、天保、五十二年/寛政の改革/倹約から起こった風俗/羽織の弁/帯、オタイコ結びの流行/底いたりと御召縮緬/江戸留守居役の弊風/第七談 天保、弘化、嘉永、安政、万延、文久、元治、慶応、およそ三十年/天保の改革/唐桟の流行/解説/参考文献/文庫版解説(大久保尚子)/索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

bapaksejahtera

14
大槻玄沢の孫である著者が書いた講義原稿風の著述に、注釈や豊富な図版を加えた物。本書の特徴は、①口語文の揺籃期の実験的文体だが現在でも判り易い上、当時の口語を想像しうる処。②服飾を中心とした風俗通史で、民間の風俗が、度々の節倹令の度に一旦の雌伏から時を経て大きな変化を遂げるとの観点で一貫。③江戸後期を直接知る者の著作、④この種の本としては豊富な索引 といった所だろう。但し表題の服飾よりは結髪に頁が多く割かれる。もし本分野を知ろうとすれば、服飾史結髪史共名著もあるし、本書の出典の活字本に直接当たる事もできる。2025/07/09

べあべあ

11
私はけっこう時代劇の衣装や髪型をチェックしてしまう性格です。江戸時代も頻繁にファッションブームが変わっていたので、「タイムスクープハンター」の様にもっとリアルに歴史考証に合わせて作ってくれた方が面白いのになぁ~といつも思ってしまいます。享保生まれの学者先生が明治に語った江戸時代の服飾変遷のお話はとっても面白く、勉強になりました。講演の速記本が元ということで口語なので、予想外に読みやすかったです。時にハハハハと笑いを交えて語る如電先生、チャーミングで素敵でした。2024/07/02

Go Extreme

2
https://claude.ai/public/artifacts/0ad9ed8c-a953-498b-9a44-1612fc5809a1 2025/06/27

tkm66

1
まさに<天保老人譚>、かと思ったら如電は明治30年当時58歳!なんだ!今のオレと同い年か笑!2024/06/09

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