内容説明
「ホームズへ最上質のオマージュ」――本格ミステリ作家・有栖川有栖さん
もう“名探偵なんていらない!?
相棒ワトスンが、ホームズを手玉に取ったアイリーンが、快刀乱麻の大活躍!
ワトスンは憂鬱だった。原因はホームズが死んだこと。妻の病気。メイドは役立たず。配管の不調で、鉛管工を呼ぶが、なかなか直らない。しかも、どうやら家に誰かが侵入しているらしいのだ。
もしや、これまでの事件記録を盗もうというのか? 過去を消したい人物は多いだろうが……(「ケンジントン診療所の怪」)。
あの名探偵の脇役たちが大活躍! 夢のミステリー・ファイル!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう
37
シャーロック・ホームズはほとんど出て来ず、ワトスンやハドスン夫人やレストレード警部たち名脇役が主人公になって謎を解く。どのキャラの話も面白かった。これを題材にした海外ドラマ(エレメンタリーやシャーロックとか)はよく見るのに、オリジナルを読んだのがかなり昔でしかも量的にも少ない私。そんな私でも楽しめた一冊。オリジナルをしっかり読み直したくなってきた。2017/05/25
マッちゃま
22
解説の有栖川氏の言葉を借りるなら、まさに「最上質のホームズ・パスティーシュ」でした。本書はホームズ物語の脇を固める人物たちが主役の6作が並ぶ短編集。盟友ワトスンから始まり、ハドスン夫人、レストレード警部、ラストは あのひと♪それぞれがそれぞれらしく謎に関わり、そして らしく解き明かしていく展開は読み心地が素晴らしく良い。それほど聖典に詳しくなくとも彼らの魅力は充分に伝わるかと思いますし、詳しい方もニヤニヤ楽しめると思います。こりゃ今の言葉で言うとこのスピンオフですな。続編も有るようで文庫化が待ち遠しいわ。2018/10/12
agtk
15
ホームズ譚のサイドストーリーとも言えるパスティーシュ集。北原さんのホームズ愛が感じられて読みごたえがあった。ワトスン、ウィギンズ少年、アイリーン・アドラーの物語が特によかった。2019/05/29
うみ
15
やっぱり北原尚彦さんすごい!!!と感激しました。ホームズパスティーシュなんですが、主人公はホームズではなく周りのキャラクター達。相棒ワトスンに始まり、大家のハドスン夫人、お馴染みレストレード警部に「あの人」アイリーン・アドラー、『バスカヴィル家の犬』のサー・ヘンリー・バスカヴィル、ベイカーストリートイレギュラーズのリーダー・ウィギンズ少年。この6人が語り手となって物語を紡ぎます。聖典のあの場面の裏側ではこういう物語があったかもしれないとワクワクする面白さ。続編も読みます!!!2018/05/27
タッキー
13
『シャーロック・ホームズの蒐集』というこの作家の作品が非常によくできたものだったため、こちらの作品も購入。ワトスン、レストレードやハドスン夫人といったホームズシリーズに出てくる脇役を主人公にした6つの短編。ミステリーとして面白かったか?と言われれば正直疑問符がつきます。でもいずれの作品もホームズ本編の裏側に潜んでそうなプチ事件を創造して取り扱っており、ファンとして見た場合、決して読んで損はない内容でした。2020/03/07