内容説明
日常生活から難解な科学理論にいたるまで、現代のネット社会では、欲しい情報の入手にはほぼ困らない。では、人はなぜ学校に行くのか。教師や教科書を通して知識を得るためか、それとも経済的に恵まれた仕事につくためか――長年アフリカをはじめ世界の教育政策と歴史を研究してきた著者が、自身の試行錯誤を振り返りながら、「学ぶ」という人間の本質的な営みの核心へと迫る。AI時代の到来を見据えた画期的論考。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
26
欲しい情報の入手にはほぼ困らない現代ネット社会で、人はなぜ学校に行くのか。長年アフリカをはじめ世界の教育政策を研究してきた著者が、学ぶ人間の核心へと迫る1冊。アフリカの開発援助コンサルタントとして、学校建設や教員養成のプロジェクトの参加してきた著者が感じた、植民地時代の教育の目的と今なお続く途上国援助の問題点。そして人は何のために学ぶのか。現代社会で必要とされるのは「非認知能力」という形の見えないスキルで、SNS時代の今でも口承文化のアフリカと実は共通点があるのではという指摘はなかなか興味深かったですね。2024/11/06
ta_chanko
19
植民地時代からアフリカで行われてきた教育を研究することで、教育の目的や学びの本質について考察。ヨーロッパの大学に留学させてエリートを育成しても、現地の人々を見下すようになってしまってはいけない。また、工場労働者としての知識やスキルを身につけさせるだけでも足りない。その目的は、「アフリカアフリカ人の心を失わず、ヨーロッパ人の知性を身に付けたリーダーを育てる」こと。世代や国境を越えても普遍的に通用する教養や非認知能力を身につけさせること。そのために学校教育は不可欠か?口伝などの伝統教育でも可能ではないか?2024/12/10
とも
10
chatGPTなど生成AI時代の教育をアフリカ伝統社会をヒントに読み解く。現代のsns全盛の時代は口承文化のアフリカと似たところがあると、なるほどー。最後の2章が著者の伝えたいことで大変面白く読めた。この部分をもっと書いて欲しい。AIの時代に向けていまの時代に書かれるべき本。2024/10/27
Tomonori Yonezawa
6
県立Lib▼2024年の本▼8章217頁、章題は省略▼あんまり面白くはないがなかなか考えさせられる本。▼2章〜6章、どの章もちょっと読むのが止まって考える時間がある。7章「AI時代の学習とは何か」。ここはすごく考えさせられる。8章「何を語るかではなく、誰が語るか」ここすごいモヤモヤする。▼色々とモヤっと思い浮かぶが、考えはまとまらない。まだ新しいんで他の人にも読んでもらうために返却。その内また借りよう。▼Kindleセールなら🙆2025/02/01
市井吉平
5
あまり売れる本ではないかも知れない。だが「ジワっと」なんか面白い…大事だ…と感じさせる。著者はアフリカにおける我々が近代と呼ぶ時代以降の教育を中心に研究。本書はその蓄積を背景に、著者が研究してきたことと、日本を中心とした現代を照らし合わせながら、これからのあるべき教育を論じる。上から体系化された知識。一方で生きる為にその時々で戦略的に学ばれる知識。情報化された現代社会では後者のあり方が学び方としてヒントを持つのではないか、と。学校教育について考えるものとしてヒントを持つ1冊に感じた。2024/10/27
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