内容説明
最後の4割打者の独白。全米を席巻したトルネードの記憶。日本一足の速い少女が選んだ人生。強すぎて憎まれた横綱。競馬史に残る大穴を開けた14番人気の伏兵。観客席からあらゆるスポーツを見つめ続けたスポーツライターが遺した珠玉の42編。
目次
第1章 伝説
第2章 肉声
第3章 旅路
第4章 頂上の記憶
第5章 ゲームの分け前
第6章 野茂英雄
著者等紹介
阿部珠樹[アベタマキ]
1957年、北海道生まれ。大学卒業後、出版社勤務を経て1987年からフリー。競馬、プロ野球、MLB、相撲、ボクシング、プロレス、ラグビー、サッカーなど様々なスポーツジャンルについて主に「Sports Graphic Number」誌上で執筆を続ける。2015年4月22日、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ma-bo
77
「Number」「優駿」等を中心にスポーツに関する記事を書き続けた阿部珠樹さん。「Number」だけでも2017年に57歳で亡くなるまでに900編ほどの原稿を発表しているとの事。一つの専門競技を決めないで様々な競技を見つめ言葉にして紡いだ中から42編を収録。一章はレジェンドと呼ばれる人、チームについて、二章はインタビュー集、三章はアスリートの人生、ある場面を辿る記事、四章は頂上の記憶、五章はある試合、レースに焦点をあてた記事、六章は野茂英雄について。600ページもあるが一気に読み終えた。2024/03/09
fwhd8325
63
古いものは30年以上前の作品もあり、時系列で並んでいるわけでないため、時代背景を思い出すのが少し疲れました。スポーツノンフィクションでは、山際淳司さんが有名ですが、私は、沢木耕太郎さんの作品触れて、このジャンルが好きになりました。阿部さんは、幅広いジャンルのスポーツを取り上げていて、どの作品も実に文学的だなと感じました。野茂さんの章で門田さんが最初にホームランを打つ事にこだわったのがとても面白かった。最近はこういうドラマがないようで淋しいですね。2024/04/29
yyrn
30
スポーツライター阿部珠樹氏が生前書かれた900編を超える文章の中から選ばれた42編。600ページもあるが、一気に読めた。▼主な執筆先であったスポーツ雑誌Numberは若いころ毎号読んでいたので、氏が書く、例えばその試合のアヤとなった人やモノ・コトをあぶりだす後日談的な文章は、どれも読み応えがあったと記憶する。スポーツを読む楽しさを教えてもらった人かもしれない(あれ?山際淳司氏だったかな?まあどちらもw)。中でも日本プロ野球界の古い体質に嫌気がさしメジャーに挑戦した野茂英雄投手の活躍を追った文章は印象深く⇒2024/02/07
りんだりん
25
文藝春秋の「Number」や競馬関連雑誌の「優駿」などに寄稿されていた阿部珠樹さんの作品集。600ページに及ぶ分厚い単行本だが、一気に読み切ってしまえる。特に大好きな競馬に関するものは、自分の知らない時代の話も含めてどれも引き込まれた。メジロマックイーンvsトウカイテイオーは私も「ウマフリ」さんに寄稿したことがあるが、この2頭だけではなく周辺の馬や騎手にも焦点をあてることでより2頭の戦いを重層的に魅せる手法に感心させられた。読み応えたっぷりの良書。★32024/02/18
hideto
14
ノンフィクション、とりわけスポーツにまつわるものが大好きな私ですが、著者の阿部珠樹さんの名前は初めて聞いた気がします。残念ながら2015年にお亡くなりになっていますが、彼の書いた記事をまとめた1冊です。題材は野球を始め、サッカー、競馬、プロレスとオールジャンル。ああ、こういうことあったなと懐かしく思えるものばかり。特に野茂英雄にまつわる記事は読み応えたっぷり。600ページに渡る大作ですが、ページをめくる手が止まらず、思いのほか早く読み終えました。2024/01/23