内容説明
「海松」を超えた、究極の「半島物語」。東京を離れ、志摩半島を望む町で暮らし始めた中年女性。孤独な暮らしのなか、彼女がそこで見つめたものは? 川端賞受賞作「海松」を超えた、究極の「半島物語」。谷崎潤一郎賞、中日文化賞、親鸞賞受賞作!
その春、「私」は半島に来た。森と海のそば、美しい「休暇」を過ごすつもりで――。たったひとりで、もう一度、人生を始めるために――。川端賞受賞の名作「海松(みる)」を超えた、究極の「半島小説」
顔を上げると、樹間で朝を待つものたちの気配がした。たぶんメジロやウグイス。どこに巣があるのかわからないが、葉擦れや枝のこすれとは違う音がする。寝覚めの脳に届いたのは身じろぎする鳥たちの気配だったのかもしれない。やがて、森のあちこちに青みを帯びた筋が差しこむ。樹間に広がる光の筋は、やがて明るい金色を帯びていった。途端に森の奥から、鳥の声がにぎやかに聞えてきた。なかに「リッカ、リッカ、ピイィ」と鳴く鳥がいる。そういえば、今日は立夏。東京から半島にきて、もう一ヵ月がたっていた。――<本文より>
第47回谷崎潤一郎賞受賞作
解説・木村朗子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
真琴
11
親しい人の死を経験し住み慣れた東京を離れ志摩半島で暮らし始めた「私」。大きな盛り上がりはないが、自然の情景や養蜂や染色を営む移住者たちの日々の営み、彼らとの交流の様子が映像として浮かんでくるような作品だった。2026/01/23
おやぶん
2
東京から三重の半島へ移り住む初老?の女性 そこでの自然へ溶け込みながら日々の暮らしをつづる。 スローライフがいいなと思う部分もありながら読みました。 2024/12/01
takao
1
ふむ2026/05/12
老齢症状進行中
0
稲葉さんの本は、初めて。小池真理子さんの対談本でこの小説のことを知り、読みました。ほとんど一気読みで面白かったです。人との関係でなく、自然と私(まわりの人も含めて)との関わり合いの小説でしょうか。私自身、山や森が好きなので本当に味わって読めました。伊勢神宮に行って、それから志摩半島に行ってこの小説に書かれた自然に触れてみたいなあ、都会の喧騒に疲れた方にオススメの本です。2025/09/23
isbm
0
★★★2024/11/17
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