文春文庫<br> コロラド・キッド 他二篇

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文春文庫
コロラド・キッド 他二篇

  • ISBN:9784167922795

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内容説明

恐怖の帝王、デビュー50周年記念刊行の第4弾は、日本オリジナル中篇集。

日本初登場の「浮かびゆく男」に、幻の中篇2作をカップリングする豪華仕様!

「浮かびゆく男」
舞台はあのキャッスルロック。ITデザイナーのバツイチ独身40男スコットは190cm、120キロはあろうかという大男だ。ところが、外見はまったく変わらないのに、体重だけが減りつづけるという不思議な現象に悩まされていた……。
ホラーストーリーにもなりそうな設定から、まさかのハートウォーミング展開という、意表を突く一篇だ。

「コロラド・キッド」
メイン州の小さな島の新聞社にインターンでやってきたステファニーが、ふたりの老記者ヴィンスとデイヴから聞かされる奇妙な物語――。
今をさること20年前のある朝、島の海岸でごみ箱に寄りかかってこと切れていた身元不明の男の遺体が見つかる。ヴィンスとデイヴは「コロラド・キッド」と呼ばれるようになった男が、なぜ縁もゆかりもない島にやってきて命を失うことになったのかを執拗に追ったが……。
かつて『ダークタワー』シリーズのノベルティとして抽選で配布された非売品、という幻の作品が、18年の時を経て一般発売。

「ライディング・ザ・ブレット」
メイン州立大学に通うぼくに、ある夜電話がかかってきた。母ひとり子ひとりでぼくを育ててくれた母が倒れたというのだ。ぼくはヒッチハイクで夜を徹して病院に向かうことを決意する。ところが乗り継いだ車の運転手の様子がどうもおかしい――。
2000年に単行本で刊行されてから、長く幻の一冊になっていたホラー中篇が復刻。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

179
スティーヴン・キング作家デビュー50周年記念刊行第4弾、スティーヴン・キングは数十年に渡って読んでいる作家の一人です。「コロラド・キッド」は、昔読んだはずなのですが、すっかり忘れてました。オススメは、「浮かびゆく男」&「ライディング・ザ・ブレット」です。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841679227952024/10/15

ケンイチミズバ

94
スコットは体の異変に気付いた時からあとどれくらい生きられるのか考えるようになる。共和党支持者の多い保守的な土地で気の強さからレズビアンカップルであることを公言する経営者のディアドラはお客が来ない店をいつまで維持できるか不安で仕方ない。些細なトラブルと大きなある出来事で彼とLGBTQカップルは和解し友達になる。人は人に優しくなれる。彼の親友アダムズは鷹揚な医師、保守的な妻マイラも彼女たちと打ち解ける。悲しい結末が想像されるが、なんてファンタジーなのだろう。キングにはたくさんある映画にして欲しい小品的な秀作。2024/10/09

yukaring

79
過去の作品やキング原作のドラマに名前だけ登場する「コロラド・キッド」この謎に満ちた事件の全容がやっとわかる!と楽しみにしていたのだが何と読んでも謎は深まるばかりという演出が小憎らしい。地元の新聞社を運営する二人の老変人たちが新人に語る海辺の死体の謎。事実から様々な憶測が語られるがこのミステリーの解決編は自分で想像するしかない。キングによる〈いざ知ってしまうよりも、知りたいと思っているうちが花かもしれない〉というあとがきも心に刺さる。また体重が減り続ける男の恐怖などホラー二編も収録されたキングらしい1冊。2024/11/14

アーちゃん

60
待ちに待ったキングデビュー50周年記念刊行の第4弾は、初訳の「浮かびゆく男」(2018)、『ダーク・タワー』の景品として配布された非売品の表題作(2005)、電子書籍として発表後、単行本のみ出版された「ライディング・ザ・ブレット」(2000)の3編。「コロラド・キッド」は90歳と65歳の新聞記者がインターンシップで島を訪れている22歳の女性と、20年前の”未解決の謎”を追う会話劇。この作品のみ著者のあとがき付き。キャッスルロックを舞台にした「浮かびゆく男」はラストの余韻が素晴らしい。解説は必読。2024/09/15

sin

59
※『浮かびゆく男』本来なら彼のバックマン名義の『痩せゆく男』のようにその不条理にさらされた個人的な恐怖心を訴えてくるところだが、この物語のアプローチは新鮮で感動的だ。※『コロラド・キッド』以前読んだときは当選した喜びが強く気にもしなかったが、改めて読むと思わせぶりでまわりくどい会話に振り回されるくどくどしい老人語りの帳尻の合わない話だ…だがしかし、作者の真意は別にある。※『ライディング・ザ・ブレッド』この世界の表面の下…別れは必ず訪れるもので、まさに「先立つ後悔ありもせず」だ。2024/10/23

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