ＳＮＳと性被害 理解と効果的な支援のために

著者名：櫻井鼓【編】/横浜思春期問題研究所【編】

誠信書房（2024/09発売）

• ISBN：9784414417098

内容説明

臨床現場・心理学・精神医学・報道・法律の各領域における知見を踏まえ、大きな社会問題であるSNSを介した性被害について実践的に解説する。
支援者側が相談や情報発信にSNSを用いる方法も実例を紹介しながら解説する。SNSが当たり前となった時代の支援者の仕事を的確に助ける書。

SNSを介した性被害を重要な切り口から理解する
・要注意の加害形態であるオンライン・グルーミングの特徴
・性的画像をもととした脅迫の手口や加害の類型
・マインド・コントロールとSNSを介した性被害の関連
・加害者支援の現場から、加害者の特徴的な心理を知る
・報道が性被害問題についてどのような影響や役割を持ってきたのかを知る
・SNSを介した性被害に関係する法律をわかりやすく解説
・国際的な子どもの性的搾取の動向

SNSを介した性被害を支援する／支援者もSNSを使って支援する
・学校で起こるSNSを介した性的トラブルへの支援
・支援者がSNSで専門知識を発信し、多くのフォロワーに届けている実例
・SNS相談の事例から具体的なメッセージの技法を学ぶ
・SNS相談導入のヒント

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[nonpono]

わたしが20代の頃、インターネットのWindows95から始まり、新たな出会いの場が広がりました。チャットや掲示板などが出来ました。それから約30年。オンラインゲームが出会いの場であったり、SNSで簡単につながったり。性的グルーミングという言葉を初めて知りました。相談に乗ったり、居場所を提供したり、手なづけることのようです。海外ではジャニーズの性被害も性的グルーミングの一つとして扱っているようです。犯罪の方が進化が早すぎて罰則が追いついてない印象を持ちました。そして防衛本能を持つことも大事だと思いました。

2025/02/02

[Go Extreme]

SNSを介した性被害の理解 こどもの性的グルーミング： オンライン・グルーミングの加害者と被害者・手口 セクストーションの性被害の実態： 加害形態と相談への対応 SNS性被害とマインド・コントロール： MCの一般的技法 性的グルーミングとMC SNSを介した性加害の実際： 性加害の実際 加害者の心理 認知の歪み SNS性被害と報道： 性的手なずけ行為という概念 10代・現実を可視化 SNS性被害と法律 学校教育現場でのSNSを介した性被害 性被害への精神医学的啓蒙 性被害のSNS相談 発信と検索のあいだに

2024/09/16

[木麻黄]

この分野における最新知見が盛りだくさんで，社会の変化によって，人の心理が影響を受け，生物学的な欲望の表出も変化を余儀なくされることを感じます。合意があれば，性的な写真の共有は問題ないという考えについては改める必要があり，私的な領域に関する情報の提供を求めること自体が，相手の善意に付け込んだ暴力と位置付けられるべきです。私が知っている事件では，座間事件，ｎ番部屋事件が，デジタル犯罪における現在の到達点を表す象徴的な事件になります。オンラインゲーム経由の性被害が今後増えるように思われ，注意が必要です。

2024/08/24