トーチコミックス<br> 痩我慢の説

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トーチコミックス
痩我慢の説

  • ISBN:9784845866328

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内容説明

がんこな中年男と天真爛漫なアプレ娘、世代を超えた交歓を描く感動作!

手をふって、いい気分で、進まねばならぬ。
苦しんで生き生きと暮らすのだ──

冴えない中年医師と天真爛漫な姪。
去りし日の苦味と若さのきらめきをともに祝福する
ささやかで確かな人生讃歌。

『太陽の季節』と芥川賞を競い、敗れた無冠の傑作が
稀代の劇画家ののびやかな筆致を得て、今ふたたび輝く!!

トーチweb連載時から話題沸騰!
俊英・川勝徳重による傑作長編!

目次

第一話
第ニ話
第三話
第四話
第五話
第六話
第七話
最終話

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

道楽モン

42
コミカライズを超越している見事な一冊。原作を活かすことは勿論、川勝徳重の表現作法は唯一無二の独自性に立脚した、ダンディズムの表明でもある。多くの漫画家が独自性を確立するために、商業主義的な記号とオリジナル性との間で葛藤し、結局は没個性の沼に沈んでいる。特に一連のweb連載転生モノ、BL系などの作品群は、実に凡庸な横並びの記号だらけだ。区別できん。そんな状況を横目に、この強靭な、自信に溢れた作品には、読者におもねり妥協する姿勢は微塵もない。時代性より作家性を優先し、堂々と胸を張る姿勢こそ未来への希望だ。2025/02/18

内島菫

11
本書を読むと文学とは何かと思う。細やかなこと、何でもないこと、秘めた屈託、劣等感、風穴、人間の機微、矛盾・・・・。様々に自由自在に表現できるはずの体裁が、かえってしがらみを、作者の自覚の有無にかかわらず露呈してしまうもの・・・・。とは言え、文学の要諦とは味わいと雰囲気ではないだろうか。この形なく目に見えず、捉え得たとしてもすぐに消えかねないものを弱いままでどこまで信じ得るかが文学を支えるものではないだろうか。その弱きものが行間として本書に感じられた。2024/09/02

コリエル

5
電話・睡眠・音楽で『新鋭の劇画作家』として注目された作者による藤枝静男作品のコミカライズ。時代は戦後十数年。姪をかわいがりつつも、太陽族とは言わないが奔放な彼女に惹かれつつも隔絶を感じる主人公の私小説的な作品。私小説とはいうが犬の一人称視点などが挟まるなどどこか浮き世離れした雰囲気が横溢しており、そこに面白味があった。老境にあってなお惑いの中にあり続ける男の姿は、読者に自分も結局死ぬまでこのような様子であるのだろうなあという心境にさせる。2025/12/24

kentaro mori

2
⚫︎幸せそうな顔をしている/きっと楽しいことを考えて眠ってるんだろうな/人間は一人でいるときが一番オモロい顔をしている2025/08/14

たけのこ

2
藤枝静男先生の原作を川勝徳重先生がコミカライズ。面白かったです。ふきだしの形とか独特だし、絵柄が急に変わったり、古風で自由な印象がありつつも、いまっぽい新しいというか洗練された技術もこらされてて読み応えありました。2024/09/11

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