内容説明
蟷螂拳(とうろうけん)を繰り出すトランスガール!
こんな小説をずっと待っていました!――三木那由他
カンフーの達人で、病的な嘘つきのあたしは、生まれ育った町と家族から逃げ出した。
誰かが描いた物語に、閉じ込められないために。
行き着いた「奇跡通り」では、面倒を見てくれるディーヴァ、不思議な力を持つ魔女、鼻もちならない「お姫様」ら、様々なトランスたちに会う。やがて、殺されたトランスジェンダー女性たちの仇を討つことを使命とするガールギャングに入り、ストリートで暴れまわる。
待ち受ける数々の困難を前に、彼女は新しい家族を守り、痛みを癒し、
自分の中にある真実を見つけることができるのだろうか?
エマ・ワトソンのブッククラブの課題図書となり話題を呼んだ小説、ついに邦訳。
創刊たちまち大好評の海外文学シリーズ「I am I am I am」、第二弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
47
【自分自身を傷つけるのをやめたとき、ようやく誰かを傷つけるのをやめられるんだ】危険なトランスガールでカンフーの達人で病的な噓つきのあたしが、いかにして世界一のエスケープ・アーティスト、つまり脱出の達人になったかの物語。<あたしは安全な空間を信じない。そんなものはもともと存在しないから。だけど、あたしは危険な物語を信じてる――思いもよらないときにあなたの内側から湧き上がる渦巻みたいな。まるでこれからあなたが解き放とうとする革命についてささやきかける狂った天使の声みたいな>。うん、いいね。すごく、いいなぁ~⇒2025/03/15
ori
15
あとがきにもあったけどハリウッド映画でもマイノリティの描かれ方は主人公の良き友だったり、笑わせる奴だったりと型にとらわれすぎ。この本の主人公カンフーの達人のトランスガールは全然スーパーガールじゃない。まだ若く成長途中であるけどもどこか信用できないとこもある。他のトランスガール達も何かしら欠点があり皆完璧じゃない。でもそんなの当たり前のはず。マジョリティで当たり前の描写がマイノリティにはまだまだ足りない。リプレゼンテーション大事。エンタメでも文学でもこの小説みたいなのがどんどん出てくるといい。2025/03/27
ズー
13
詩があまり好きではないので、ちょっと苦手な部分もあったけど、ストーリーとしてはなかなか過激で、トランスジェンダーにとりまく心情や環境がよく分かった。人魚とか出てきて、現実と幻想どちらか分からない感じが良かったし、所々でグッとくるパートも。トイレットペーパーのくだりは、なるほど💡と思った。そんなトイレットペーパーには出会ったことないな。個性的なようでみんな辿る道は同じ、人に物語を勝手に語られるなってのはだよねーと思うなど。2025/06/29
綿
4
一人称が「あたし」のYA文学の系譜の物語に一生惹かれ続ける。タイトルが昔のコバルト文庫、ポプラ社のとんでる学園シリーズを彷彿とさせてとても好きなのだけど、物語の構造として、何かしらの理由で故郷を飛び出して別の土地で新しい人間としてやっていこうとする冒険譚というセオリーをあえて踏襲しながらも、その時代には語られてこなかった、でも確かに当時もいた筈のトランスの少女を主人公にした新たな物語として、いまを生きる人たちを勇気づける作品、などと私が安易に引き寄せて「みんなのもの」にしてはいけないような、2024/11/09
亜済公
3
優れたマイノリティ文学。2024/08/27




