大使とその妻 上

個数:1
紙書籍版価格
¥2,200
  • 電子書籍
  • Reader

大使とその妻 上

  • 著者名:水村美苗【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 新潮社(2024/09発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784104077045

ファイル: /

内容説明

2020年、翻訳者のケヴィンは軽井沢の小さな山荘から、人けのない隣家を見やっていた。親しい隣人だった元外交官夫妻は、前年から姿を消したままだった。能を舞い、嫋やかに着物を着こなす夫人・貴子。ケヴィンはその数奇な半生を、日本語で書き残そうと決意する。失われた「日本」への切ない思慕が溢れる新作長篇。上巻。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とよぽん

79
何紙か書評に載っていたのが気になって、図書館の順番待ちをした。水村美苗さん、初読み。その経歴から、典雅な文体や日本の古典文学、諸外国と日本の歴史的背景など、作品中に散りばめられた気品のようなものが納得できた。前半は様子がつかめず、人物関係も分かるのに時間がかかったが、後半はそれぞれ登場人物が動き出し、関わり合う展開が面白かった。下巻、早く読みたい!2025/02/11

どんぐり

72
アメリカ人ケヴィンの「失われた日本を求めて」とブラジル生まれの貴子の「ニッポンごっこ」。日本文化への遅ればせながらの目覚めは、面白い読みものとは言えないけれど、下巻へ(つづく)。2025/02/01

天の川

48
この異次元のような静謐な空間は何だ?母国にも家族にも馴染めなかった高等遊民のケヴィン。日本文化に魅せられ、東京に住み、夏は軽井沢の山荘で「失われた日本を求めて」というアーカイブを作る彼の前に現れた、隣の別荘(彼は「蓬生の宿」とよぶ)の元大使夫妻。彼は失われた古き日本の化身のような大使の妻に惹かれていく(恋情ではない)。美しい言葉使い、和歌や能、笛や鼓…彼の憧れる「失われた日本」の具現者。上巻の最後で「失われた日本」はもはや日本には存在しないことが明かされ、「なるほど!」と思った。下巻の展開が楽しみだ。2025/05/06

ぐうぐう

36
なんて心地良い小説なのだろう。いつまでもたゆたっていたいと思わせる、そんな小説だ。なぜそう思わせるのか。それは、ここには失われたものが描かれているからに他ならない。水村美苗はそれを際立たせるため、周到な仕掛けを用意する。アメリカ人男性の日本語による回想録、背景を支える『源氏物語絵巻』と『失われた時を求めて』の存在、そしてかつての日本人を体現する貴子の予想を裏切るその正体。様々な仕掛けは、失われた日本を甦らせるために配置されている。(つづく)2024/12/27

よっち

32
翻訳者のケヴィンに忘れられない鮮烈な印象を残した、親しい隣人の元外交官夫妻。彼は夫妻から聞かされた彼女の数奇な半生を日本語で書き残そうと決意する物語。軽井沢追分の小さな山荘で過ごすケヴィンの隣人となった、京都の宮大工の手による日本家屋に住む元外交官夫妻。日本の古き良き文化をアーカイブに残そうとする彼が意識せずにはいられない、能を舞って嫋やかに着物を着こなす、古風で典雅で時折狂気を垣間見せる夫人・貴子の存在。ふとしたきっかけから始まった夫婦との交流の中で、明らかにされてゆく彼女の秘密に驚かされた上巻でした。2024/11/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22102665
  • ご注意事項

最近チェックした商品

 

同じシリーズの商品一覧

該当件数2件 全てにチェックを入れる/全てにチェックをはずす