内容説明
僕は、乙野さんの真意が知りたい。
鬼やグールなどの人外を駆除するべく組織された「浄化班」。
その一員である安条世羽にとって、同じ予備校に通う乙野綴は特別な存在だった。
彼女の一挙手一投足が気になり、つい目で追ってしまう。
世羽はふとしたきっかけでそんな彼女と親しくなり、食事をともにする間柄に。
しかし、ときとして妙に積極的な彼女の言動が世羽を疑心暗鬼に陥らせる。
ついに思いきって真意を問い質そうとした世羽に、彼女が投げかけた予想外な一言とは――!?
巻末に電子限定書き下ろしSS「世羽独食録Ⅱ」も収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
椎名
7
好きになったら全てが知りたくなるという綴との急接近からの突然の保護兼同棲という状況、そしてベジタリアンを自称するグールらしからぬグールの存在と、様々な思惑が交差する目まぐるしい一冊。主人公はどこまでいってもまだガキでしかなく、無知な子供として描かれる。何も知らない、何も疑うことのなかった人生が動き始めるような内容だ。人間を食べたくないという思いから食欲を我慢しているグールと、自慰もできればしたくないと思っている主人公の感覚は近いものとして描かれているような。本能と感情の話。2024/08/26
ぐうたらな本好き
3
メインヒロインの癖がなかなか強い。ただの変わった人なのか、それとも他に真意を隠しているのか。この巻では、そんな彼女と主人公の触れ合いが多め。普通に結構イチャコラしていたが、この作者さんなので油断は禁物。本筋のほうも着々と進みつつありました。なにやら単純な話ではなさそう。次巻は『鬼譚』ということで、人外視点のお話になるのかな。楽しみです。猫又可愛いからもっと出てくれ。2024/09/03