内容説明
入居金3億円超え。超富裕層のみが入れる「終の棲家」は桃源郷か、姥捨て山か。元『週刊文春』エース記者が踏み込んだ、超高級老人ホームという聖域。死に場所さえステータス化する金持ち老人たちのマウンティング争い、悪徳業者への潜入取材など、日本で初めて「高級老人ホーム」を取材した衝撃のルポルタージュ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
137
超高級老人ホームについて。高級老人ホームは知っていたが超がつく高級老人ホームというのがあることを知った。入居するのに億単位であったり毎月80万もかかるところがあるそうだ。中はまるで高級ホテルなみで、個室のほか食事も一流寿司店の料理人が来て寿司を握ってくれたり、フランス料理があったり、映画館、趣味のサークル、他にも病気になっても医療体制は完備され、多々に及ぶ。一ヶ月の年金が5万円の人からするとウソのような世界。ただ入居している老人の本心はどうなのか?老後の幸せってなんだろう・・・図書館本2024/09/24
nonpono
106
「まあ俺は、超高級な老人ホームで最期を迎えたいなんて思わねえな。世の中、高級っていうほど怪しげで、実態が掴みにいくいものはない」から始まる冒頭。高級老人ホームの現状、お住みになるセレブな皆様、お相手をするスタッフの皆様、給料は上がらない介護業界の現状、安給でスタッフが集まらないから崩壊寸前の日本の介護。要介護3以上でホームに行けるんですね。知人の母堂は介護認定のときには元気になって困っていたな。その逆も然り。お金を積んだら最高の終の住処に出会えるのか。団体生活の辛さ。今の介護業界の光と闇を照らした一冊。2024/11/01
アキ
104
超高級と言われる老人ホームであっても、介護職の給料は他の施設とほぼ変わらない。サービスを売りにする施設で、億を超える高額な入居費用を支払った居住者からの要求は高いはず。施設内の人間関係も考えると、やはり出来るだけ施設に入らずに済むように、足腰を鍛えて、仕事に従事し続けることを優先していきたい。いつかは介護される側にまわる訳なので、家族との関係性は大事であることを再認識しました。元週刊文春の記者の著書だけに、施設に忖度ない書きっぷりがとても参考になりました。2024/09/27
レモングラス
96
高級老人ホームの実態に迫るべく、施設を訪ね歩き、多くの入居者やスタッフから話を聞いた著者。身分を明かさずに潜入取材した施設もある。業務体験も行い、こうした取材を通じ、思わず出た本音や爆発させた不満などが書かれている。悪徳施設についての記述を読んでいると怖くなる。『実録ルポ 介護の裏』も読んでみたい。高級老人ホームなんて全く関係ないけれど、安心して長生きする大変さは学ぶことも多い。果たして高級とは何? そんな気持ちになる。豪華じゃなくていい。穏やかに信頼して暮らしたいと思う人が大半だと思う。2025/01/29
ネギっ子gen
81
【高級とは、客を錯覚させるための巧みな演出があるかどうか】数億を超える入居金を支払い、至れり尽くせりの生活を享受する超富裕層たち。お金さえあれば幸せに死ねるということか――。元『週刊文春』エース記者が、選ばれし者だけの“終の棲家”超高級老人ホームの実態に迫った書。<本来そこに求められているのは、目に見える豪華さではなく、入居者が心で感じられる優雅さだろう。だが、一見優雅に見える暮らしでも、複雑な人間関係や老いとの闘いから逃れることはできず、絶え間ない葛藤が続く場所が超高級老人ホームなのだ>と。確かに……⇒2024/10/15
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